人工言語トキポナ(toki pona)のシンプルな世界

世界最大の英語辞書『オックスフォード英語辞典』には約600,000の英単語が収録されています。

一方、成人の英語のネイティブスピーカーが知っている語彙の総数は約20,000〜30,000と言われています。

一般的に語彙というのは多ければ多いほどよいと思われがちですが、そもそも私たちが日常生活を営む上で、最低限必要な語彙というのはどれくらいあるのでしょう?

現存する英単語のうち、使用頻度の高い0.1%を残して、残りの99.9%を使用禁止にしたら、生活にどの程度支障が出るのでしょうか?

そんな思考実験への示唆を与えてくれる人工言語の一つにトキポナ(toki pona)があります。

toki pona

トキポナはカナダ・トロント在住の翻訳者 Sonja Lang によって設計された人工言語で、特筆すべきはその語彙数がわずか123語ということ。

123語?

そんな数で本当に必要な意思の疎通を図ることができるのでしょうか?

例えば、数詞というのは、どの言語でもそれなりの語彙数を持っている訳ですが、トキポナのシステムは次のようになっています。

Toki Pona has root words for one (wan), two (tu), and many (mute). In addition, ala can mean zero, although its more literal meaning is “no” or “none”.

Wikipedia「Toki Pona」より

トキポナの数詞は「1」を意味する wan、「2」を意味する tu、「たくさん」を意味する mute、「0」を意味する ala の4つで構成されているとのこと。

そしてこれ以外の数、例えば「3」は tu wan、「4」は tu tu と表わすのだそうです。

要は何進法にするかという問題なので、この仕組みに慣れてしまえば、案外不自由することもないのかもしれません。

そんな興味深い人工言語トキポナの教則本が米アマゾン(amazon.com)で販売されていたので、思わず購入してしまいました。

*残念ながら日本のアマゾン(amazon.co.jp)では購入できません。

届いたら、またこのブログで紹介してみたいと思います。