ウサギのツノ

この頃はとにかく忙しい。。。

など、日常会話でもよく使う「とにかく」という単語。

ひらがなのまま使うのが普通でしょうが、漢字に変換すると「兎に角」という字になります。

なぜ「とにかく」が「ウサギのツノ」になるのでしょう?

語源由来辞典によると、これは「兎角亀毛」という仏教用語に由来するのだとか。

これは文字通り「兎の角」や「亀の毛」のようにありえないものを意味する言葉。

一説によると夏目漱石が初めて使ったとも、あるいは漱石以前からあった用法を漱石が広めたとも言われています。

おそらく遊び心から生まれたこんな用法がすっかり日本語に定着しているというのもおもしろいことですね。

また、この「とにかく」を新明解で調べると、次のような語義がのっていました。

とにかく【兎に角】

そうなる(する)に至ったいろいろな事情はさておいて、さしあたっての状況や結論を述べる様子。

表記「{左右}」とも書く。

「新明解国語辞典 第七版」

「左右」とも書く?

今、このブログを書いている Mac で「とにかく」を漢字に変換しても「左右」は候補に出てこないのですが、「とかく」を変換したら「左右」が出てきました。

これはとにかくの語義「いろいろな事情はさておいて…」の「いろいろな事情」の部分を「左から右まで」という形で表わしたもののよう。

「とにかく」というたった一つの言葉から、さまざまな世界が広がっています。

 
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