know や knife の[k-]はなぜ発音しないのか?

15080301

英語の綴り字と発音の関係というのは不思議なもの。

例えば、now は「ノウ」ではなく「ナウ」と発音するのに、know は「クノウ」ではなく「ノウ」と発音します。

そこには一見、秩序が無いようにも思えるのですが、少なくとも[kn-]で始まる単語の[k-]が黙字になるというのは、英語内の共通ルールになっています。

辞書の[kn-]のページを眺めてみれば、一語の例外もなく[k-]は読まないということがわかります。

knack こつ
knee
kneel ひざまずく
knife ナイフ
knight 騎士
knit 〜を編む
knob 取っ手
knock 〜をたたく

 

結局、言語というのは習慣なので、慣れてしまえばこれらの[k-]を読まないことに特に違和感は感じません。

ただ初めて英語を習う人の気持ちになってこれらの単語を眺めてみれば、そこには奇妙な申し合わせがあるようにも思えます。

そう思って調べてみると、古くはこれらの[k-]をきちんと発音していたということがわかりました。

つまり know はかつて「クノウ」であり、knife は「クナイフ」であったと。

ただ実際そのように発音してみると、とても言いにくい!ということがわかります。

そんなこともあり、[k-]の音は次第に消えていったのだそう。

音が消えてしまったのなら、それに伴って綴りが変わってもよさそうなものですが、どういうわけか英語の綴りというのは保守的で、文字だけがそのまま残ってしまいました。

そんな[k-]の文字はこれからも英語に残り続けるのか? あるいは数百年の後には消え去ってしまうのか?

人類の未来と同じように、文字の未来もまた想像するよりほかありません。