「北光社」の思い出と「北書店」訪問記

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新潟の本好きの人にとって「北光社」という名前には特別な響きがあるのではないでしょうか。

北光社というのは、新潟の古町という繁華街の一角にあって、残念ながら2010年の冬に閉店してしまった老舗書店の名前。

子どもの頃には、新潟駅前からバスに乗って古町へ行き、いくつかのお店とともに北光社に行くのが楽しみでした。

当時は書店に行くというのが最大のエンターテインメント。本棚を見ているだけで、一日飽きずに過ごすことができます。

新潟市街には紀伊国屋書店という大型書店もあるのですが、北光社には他の書店にはない大人の魅力があったように思います。

また棚にも一つ面白い特徴があって、それは文庫の棚が作家ごとになっているということ。

大型書店などの棚を思い浮かべてもらうとわかると思うのですが、普通、書店の文庫棚というのは「岩波文庫」「新潮文庫」「文春文庫」など、出版社ごとに分けられています。

北光社では、異なる出版社の本も作家ごとにまとめて並べてあるので、好きな作家の作品を漏れなくチェックすることができました。

今思うとあの陳列は大変だったに違いないと思うのですが、当時の自分にとっては北光社へ行く大きな理由の一つになっていました。

そんな思い出のある北光社も、残念ながら2010年に閉店してしまいます。

その最後の店長であった方が、北光社の閉店後に「北書店」という新しい個人書店を開いていると聞いて、ぜひ一度行かなければ!と思っていたのですが、なかなか機会もなく。今回ようやく実現しました。

友達に車を出してもらい、新新バイパスから、桜木インターで降りて、白山公園の前を通って、新潟市役所の前へ。

(このあたり地元の人しかわからない情報ですみません。)

市役所の向かい、大学病院も向こうに見えるマンションの1階に北書店はありました。車を市役所の駐車場に停めて、歩いていきます。

それほど大きくない店内は、郷土本のコーナー、本や書店に関する本のコーナー、詩集のコーナーなど、いくつかのコーナーに分かれていて、置いてある本の趣味があまりにも自分にぴったりなのでびっくり。

そして『うらおもて人生録』のような、自分が愛してやまない本が、さりげなく面陳してあるという。。。そんなディテールにも感動!

わざわざ県外から見に来る人もいると聞いて「さもありなん」と思います。

そして自分ももちろん何か買って帰ろうと思い、二冊をチョイス。

どちらも普通の街の書店ではなかなか見つけることのできない、小さな出版社の本です。

 

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短い時間の滞在でしたが、とても素敵な時間を過ごすことができました。また来ます!