「つましい」と「つつましい」の違いとは?

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この頃はすっかりお酒を飲まなくなってしまい、日々つつましい暮らしを送っています。

もとい、つましい暮らしを送っています。

??

さて「つつましい暮らし」と「つましい暮らし」のどちらが正しい日本語だったかな?と迷ってしまったので、さっそく調べてみることにしました。

つましい【倹しい】

ぜいたくな生活をする余裕がなく、倹約につとめる様子だ。「ー暮らし」

「新明解国語辞典 第七版」

つつましい【慎ましい】

  1. 何事につけても謙虚に振る舞う様子だ。〔誤って、「つましい」と同義に用いる向きもある。例、「ー食事」〕「慎ましく意見を述べる」
  2. 礼儀正しく、控え目な様子だ。「慎ましく会釈する」

「新明解国語辞典 第七版」

新明解では、つつましい食事という表現は誤用とされています。

この場合のつつましい食事というのは、おそらく「ぜいたくではない、質素な」という意味でしょうから、ここから類推すると、つつましい暮らしという表現も誤用になってしまうのでしょうか?

ただ日本語としての存在感、というか使用頻度としては「つつましい」が「つましい」をかなり上回っているように思いますし、つつましい暮らしという表現にもそれほど違和感は感じないというのが正直なところ。

もともとは誤用であっても、次第に定着しつつある表現なのかもしれません。

とはいえ「つつましい食事、つつましい暮らし」などの表現が認められてしまうと、将来「つましい」が死語になってしまう可能性もあるでしょう。

それではもったいないので、何とか共存共栄の道を探ってもらいたいものです。