フィンランド語学習記 vol.334 − 猫はどこにいるべきか?

まずは次の表現を見てみましょう。

talo mäen päällä(丘の上の家)
*talo(家)、mäki(丘)、päällä(〜の上で/に)

3番目の päällä という単語はフィンランド語の後置詞。属格+päällä で「〜の上で/に」という意味になります。

[主格]mäki(丘)
[属格]mäen(丘の)+ päällä(上で/に)

しかし考えてみると、これまで「〜の上で/に」という意味は接格を使って表してきました。

[接格]mäellä(丘の上で/に)

この接格と「属格+päällä」の違いとは何なのでしょう?

もちろんそこには微妙なニュアンスの違いがあるのでしょうが、『フィンランド語文法ハンドブック』に面白い使い分けの例がのっていたので紹介してみたいと思います。

Kissa on sohvalla. 猫はソファーの上にいる。
Kissa on television päällä. 猫はテレビの上にいる。

sohva「ソファー」は猫がいてもおかしくない場所ですので、「ソファーの上に」と言う場合には sohvalla と接格にします。一方、televisio「テレビ」は本来は猫がいるべき場所ではないので、このような場合には päällä を使って television päällä「テレビの上に」という表現をします。

『フィンランド語文法ハンドブック』P.121-122

「なるほどー」と思いつつも、猫を飼ったことがない私のような人間にとって、猫はどこにいるべきか?というのはかなり難易度の高い問題です。

机の上は? ベッドの上は? あるいは膝の上は?

猫好きの人の意見をぜひ聞いてみたいところです。

 

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