椎名誠著『アイスランド 絶景と幸福の国へ』

photo credit: Skógafoss via photopin (license)

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椎名誠さんの『アイスランド 絶景と幸福の国へ』という本を読みました。

アイスランド 絶景と幸福の国へ

椎名さんの本は、昔から家の書棚の一角にコーナーができるくらい読んでいるので、「アイスランド」などというタイトルの本が出ていればついつい手に取ってしまいます。

本書は椎名さんによる3週間のアイスランド旅行記。日経ナショナル ジオグラフィック社から出ているということもあり、写真にも大変力が入っています。

アイスランドは北大西洋の北極圏近くに位置する人口わずか30万人の小国。同じ北欧でも、スウェーデン、フィンランド、ノルウェー、デンマークなどと比べると、少しマイナーなイメージがあるかもしれません。

ただ近年は観光にも力を入れており、日本からの観光客もかなり増えているのだとか。

また音楽好きの人にとっては、ビョーク(Björk)、シガー・ロス(Sigur Rós)、ムーム(múm)といったミュージシャンを生み出した国としても知られているかもしれません。

そんなアイスランドに関する本を読みながら、脳裏に浮かんで来た一つの問いがあります。それは、

なぜ自分は北欧に惹き付けられるのだろう?

ということ。

その答えを探して自分の中を深堀していくと、根っこのところに「シンプルに暮らしたい」という思いがあって、そのためのヒントを探しているからなのかもしれないという結論のようなものに至りました。

実際、本書に描かれているアイスランドの田舎の風景や人々の暮らしはとても魅力的で、一度は訪れてみたいと思わせるものでした。

また本書の一つのテーマとして、OECD(経済協力開発機構)の幸福度ランキングで世界第9位に入ったというアイスランドの人々の幸福度をめぐる考察があります。

もちろんアイスランドの人々が、(例えば日本の人々と比べて)幸福なのかどうか、それは結論の出る問題ではないでしょう。

ただ本書に出てくる人々の生活を通して、自分の身の回りを振り返って本当に必要なものは何かということについて、少し思いを巡らせることができました。

北欧やアイスランドというキーワードだけではなく、シンプルライフやミニマリズムに興味のある人にもおすすめの一冊です。

 

アイスランド 絶景と幸福の国へ
椎名 誠
日経ナショナルジオグラフィック社
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