俳句の本を読んでみる
この頃、折に触れて読んでいるのが俳句の本。
俳句なんて中学や高校の国語の教科書にのっているものに接して以来、とんとご無沙汰だったのですが、久しぶりに接してみるととても新鮮。
これは自分には絶対に真似できない!と思えるような世界の切り取り方を、五七五のたった十七文字の中に垣間見ることができる、とても素敵な世界です。
今回はそんな俳句の本を三冊紹介してみたいと思います。
柚子の花君に目があり見開かれ 佐藤文香
柚子の花ってどんな花なのか、考えてみるとわからないのですが、柚子の花を見ている「君」を見ている人の心の内はありありと伝わってくるような。
先月のかまくらブックフェスタでこの佐藤文香さんの句集を買ったのが、俳句の世界に引き込まれて行くきっかけになりました。とても素敵な一冊です。
仏性は白き桔梗にこそあらめ 夏目漱石
写真で見る白い桔梗の花には、何とも言えない品があって、その中に仏の姿を見たという漱石の心持ちが伝わってくるようです。
漱石が参禅していた北鎌倉の円覚寺、帰源院にこの句の句碑があります。
葉ざくらの中の無数の空さわぐ 篠原梵
最後にこんな風に空を見上げたのはいったいいつのことだっただろう、と思わず考えてしまいました。たしかにそこにはたくさんの空があって、その向こうはどこまでも広がっているのでしょう。
本書は俳人の堀本裕樹さんによる俳句の鑑賞本。古今のさまざまな句に堀本さんの丁寧な解説が添えられていて、俳句に興味をもったときの最初の一冊によいかもしれません。
以上、最近読んだ俳句の本を三冊紹介してみました。
これまであまり触れてこなかった世界ですが、これから少しずつ開拓してみようと思います!