美しいということ

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人は生まれてきたその瞬間から五感で世界を感知し学んでいきます。やがて成長し、ある日一本の花を見て「美しい」と思うかもしれません。

うつくしい【美しい】

  1. いつまでも見て(聞いて)いたいと思うほどその色・形や声・音などが、接する人に快く感じられる様子だ。
  2. 〔だれもがそうしたい(そうありたい)と思うほど〕その場の様子や行い・性質が好ましくていい感じだ。

「新明解国語辞典 第七版」

この「美しい」という感覚はいったいどこから来たのでしょう。親から教わったのでしょうか? それとも生まれる前から遺伝子の中にインプットされていたものが開花したのでしょうか?

ここにはまず、

  • 美という感覚は先天的なものである。
  • 美という感覚は後天的なものである。

という対立があり、さらに言語の面から見ると、

  • 人は「美しい」という言葉を知らなくても、美を感じることができる。
  • 人は「美しい」という言葉を知らなければ、美を感じることができない。

という対立があります。

美しいと思えるものに出会えることは、人生の喜びの一つですが、単に美しいという言葉に寄りかかって、何かを感じたつもりになっていることはないでしょうか?

「◯◯は美しい」と言うときに、私たちが他者と共有しているつもりになっている感覚の正体はいったい何でしょう?

いずれにしても「美しい」という概念が住まうところが客観的現実世界(もしそのようなものがあるとすれば)ではなく、我々ひとりひとりの心の中であるとすれば、それがどこから来るのかというのは永遠の謎であるような気がします。

 
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