フィンランド語学習記 vol.355 − 条件法の使い方(2)
きのうのエントリーに続いて、フィンランド語の条件法について。
フィンランド語学習記 vol.354 − 条件法の使い方(1)
今回は条件法の印[-isi-]を付ける際の動詞の語形変化についてまとめてみたいと思います。
具体的な手順は以下のとおり。
・現在語幹を求める
・語尾の形によって語形変化の有無を判断
・[-isi-]を付ける
以下、現在語幹の語尾の形によって場合分けしていきます。
・語尾の形によって語形変化の有無を判断
・[-isi-]を付ける
1)語幹が[e][i]で終わる単語
語幹が[e][i]で終わる単語は[e][i]を落として[-isi-]を付けます。
lukea(読む)
[現在語幹]*luke, lue
[条件法語幹]lukisi
*タイプ1の動詞では、弱形(lue)ではなく強形(luke)に[-isi-]を付けます。
[現在語幹]*luke, lue
[条件法語幹]lukisi
*タイプ1の動詞では、弱形(lue)ではなく強形(luke)に[-isi-]を付けます。
単数 | 複数 | |
---|---|---|
一人称 | lukisin | lukisimme |
二人称 | lukisit | lukisitte |
三人称 | lukisi | lukisivät |
2)語幹が長母音で終わる単語
語幹が長母音で終わる単語は、長母音を短くして[-isi-]を付けます。
saada(得る)
[現在語幹]saa
[条件法語幹]saisi
[現在語幹]saa
[条件法語幹]saisi
単数 | 複数 | |
---|---|---|
一人称 | saisin | saisimme |
二人称 | saisit | saisitte |
三人称 | saisi | saisivat |
3)語幹が二重母音で終わる単語
語幹が二重母音で終わる単語は次のように変化します。
- 二重母音の後ろが[i]のとき →[i]を落として[-isi-]を付けます。
- その他 → 前の母音を落として[-isi-]を付けます。
voida(できる)
[現在語幹]voi
[条件法語幹]voisi
[現在語幹]voi
[条件法語幹]voisi
単数 | 複数 | |
---|---|---|
一人称 | voisin | voisimme |
二人称 | voisit | voisitte |
三人称 | voisi | voisivat |
juoda(飲む)
[現在語幹]juo
[条件法語幹]joisi
[現在語幹]juo
[条件法語幹]joisi
単数 | 複数 | |
---|---|---|
一人称 | joisin | joisimme |
二人称 | joisit | joisitte |
三人称 | joisi | joisivat |
4)その他の単語
上記(1)〜(3)に該当しない単語は、語幹にそのまま[-isi-]を付けます。
tietää(知っている)
[現在語幹]tietä, tiedä
[条件法語幹]tietäisi
[現在語幹]tietä, tiedä
[条件法語幹]tietäisi
単数 | 複数 | |
---|---|---|
一人称 | tietäisin | tietäisimme |
二人称 | tietäisit | tietäisitte |
三人称 | tietäisi | tietäisivät |
5)käydä
käydä は例外的な変化をするので、注意が必要です。
käydä(訪れる)
[現在語幹]käy
[条件法語幹]kävisi
[現在語幹]käy
[条件法語幹]kävisi
単数 | 複数 | |
---|---|---|
一人称 | kävisin | kävisimme |
二人称 | kävisit | kävisitte |
三人称 | kävisi | kävisivät |
まとめ
以上、今回は条件法の印[-isi-]を付ける際の語形変化をまとめてみました。
1)語幹が[e][i]で終わる単語 →[e][i]を落として[-isi-]を付ける。
2)語幹が長母音で終わる単語 → 長母音を短くして[-isi-]を付ける。
3)語幹が二重母音で終わる単語
3ー1)二重母音の後ろが[i] →[i]を落として[-isi-]を付ける。
3ー2)その他 → 前の母音を落として[-isi-]を付ける。
4)上記(1)〜(3)に該当しない単語 → そのまま[-isi-]を付ける
5)käydä → kävisi
2)語幹が長母音で終わる単語 → 長母音を短くして[-isi-]を付ける。
3)語幹が二重母音で終わる単語
3ー1)二重母音の後ろが[i] →[i]を落として[-isi-]を付ける。
3ー2)その他 → 前の母音を落として[-isi-]を付ける。
4)上記(1)〜(3)に該当しない単語 → そのまま[-isi-]を付ける
5)käydä → kävisi
辞書形 | 現在語幹 | 条件法語幹 | |
---|---|---|---|
1 | lukea | luke, lue | lukisi |
2 | saada | saa | saisi |
3-1 | voida | voi | voisi |
3-2 | juoda | juo | joisi |
4 | tietää | tietä, tiedä | tietäisi |
5 | käydä | käy | kävisi |
原則として、このルールでタイプ1から6までの全ての動詞をカバーすることができます。
フィンランド語の他の文法事項に比べると、変化自体はかなりシンプルなのではないでしょうか?