「予測」と「先入観」の違いとは?

16022001

ある大学のある入試問題で次のような問題が出されたのだそうです。

「予測」と「先入観」は何が違うのか?

しばらく考えてみたものの、アタマの中がぐるぐる回ってよくわからず。

まずは辞書の語義を見てみましょう。

よそく【予測】

根拠にもとづいて、前もっておしはかること。

「角川必携国語辞典」

せんにゅうかん【先入観】

実際に見聞きする前に頭の中にできあがった、思いこみやイメージ。客観的な観察や判断をさまたげる。

「角川必携国語辞典」

予測は動的で、先入観は静的ではあるものの、どちらもこの世界を何らかの方法で「認識」するという点は同じ。

それでは予測と先入観は認識の仕方において、いったいどのような違いがあるのでしょう?

例えば「私は彼女も友人もいないので、今年のバレンタインデーにはチョコレートをもらえないだろう」と言う人は、チョコレートがもらえないということを「予測」しているのだと思います。

一方「私は何の魅力もない人間なので、一生バレンタインデーにはチョコレートをもらえないだろう」という人は、ある種の「先入観」に囚われているように思えます。

つまり先入観というのは妥当性に欠ける、ネガティブな認識であるということは言えるでしょう。

ただ結局これは結果論なのであって、もし本当にその人が何の魅力もない人間で、一生バレンタインデーにチョコレートをもらえなかったなら「私は何の魅力もない人間なので、一生バレンタインデーにはチョコレートをもらえないだろう」というさきほどの言説は先入観ではなくなるのかもしれません。

だとすると、今、この瞬間にあなたの思い描く世界が予測であるのか先入観であるのか、いったい誰が判断できるのでしょう?

 

角川 必携 国語辞典
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