同事
「どうじ」という音から、多くの人が真っ先に思い浮かべる漢字はおそらく「同時」だと思いますが、国語辞典をめくってみると同音異字の「同事」という単語も見つけることができます。
どうじ【同時】
- おなじ時間
- おなじ時代
「広辞苑 第五版」
どうじ【同事】
- 同じことがら。
- かわらないこと。同様。
「広辞苑 第五版」
この同事というのは仏教用語の一つで、道元禅師の『正法眼蔵』の中に次のような一節が出てきます。
同事というは、不違なり。自にも不違なり、他にも不違なり。
ここで言う「不違」というのは自分と他人の区別をしないということ。
例えば、あなたの周りにいる人が喜んでいるときには一緒に喜び、悲しんでいるときには一緒に悲しむ、そんな心の働きを想像してみてもよいでしょう。
とはいえ、言うは易く行うは難しで、実際にそんな境地に達するのはなかなか難しいこと。
それでも人との関わりの一つ一つをそんな境地へ近づくための行と捉えてみれば、そこから何か違った世界が見えてくるかもしれません。
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