「ねたましい」と「うらやましい」の違いとは?
お互いに似ているようにも思える二つの感情「ねたましい」と「うらやましい」の違いとは何でしょう?
何となく「ねたましい」の方がネガティブに思えるのですが、なぜネガティブなのかを説明するのはなかなか難しいように思います。
そんな「ねたましい」と「うらやましい」の使い分けについて、手元の辞書に次のような解説がのっていました。
他人がめぐまれた状態にいるのを見て、ひきずりおろしたいとにくしみをいだくのが「ねたましい」。「友人の成功がねたましい」。自分もそうなりたいとあこがれるのが「うらやましい」。「うらやましい豪華な旅」
「角川必携国語辞典」
つまり他人と自分の間に距離を感じた時に、相手を自分の方へ近づけたいという気持ちが「ねたましい」、逆に自分を相手の方に近づけたいという気持ちが「うらやましい」ということなんですね。腑に落ちる説明です。
なお英語でこれらに当たる表現としては、
I’m so jealous.
I envy you.
I envy you.
などがありますが、日本語の「ねたましい/うらやましい」の違いを伝えるのは難しそう。
また私たち自身も、このように言葉で説明されればわかるものの、普段そのような感情が生まれた時に、
「今、私は(うらやましいのではなく)ねたましいと感じている」
「今、私は(ねたましいのではなく)うらやましいと感じている」
というように、はっきりと違いを意識することはあまりないように思います。おそらくはもっと曖昧な気持ちとして認識しているだけなのではないでしょうか。
それだけに今度そのような感情に捉われた時には「今、私はねたましいと感じているのか? それともうらやましいと感じているのか?」と心の中を覗いてみるのも面白いかもしれません。