フィンランド語学習記 vol.393 − 夏休みはもう来週にも始まるだろう

ある休日、フィンランド語の文法書『Finnish: An Essential Grammar』を眺めていたら、tulee と tuulee の音の違いを説明するページにこんな例文が出ていました。

Ulkona tuulee.(Outside it is windy.)

Ulkona tuullee.(Outside it is probably windy.)

Ulkona ei tuule.(Outside it is not windy.)

Ulkona ei tuulle.(Outside it is not probably windy.)

??

l の文字が重なるだけで、なぜ probably の意味になるのだろう?

と思い、辞書や文法書を調べてみると、これは可能法現在形という形であるということがわかりました。

フィンランド語教室ではまだ扱っていないのですが、フィンランド語の動詞にはこのような形もあるんですね。

『フィンランド語トレーニングブック』の該当ページには、今の季節にぴったりな次のような問題も。

日本語を参考に可能法現在形に直しなさい。

Kesäloma (alkaa) jo ensi viikolla.(夏休みはもう来週にも始まるだろう。)

『フィンランド語トレーニングブック』P.199

正解は「始まる」を意味する動詞 alkaa を次のような形に直します。

Kesäloma (alkanee) jo ensi viikolla.(夏休みはもう来週にも始まるだろう。)

さきほどは tuulee → tuullee でしたが、今回は alkaa → alkanee ですから、単純に子音を重ねるだけではないようです。

こういう語形変化を見るとフィンランド語の動詞はずいぶん細かい表現ができるのだなと思うのですが、考えてみると、日本語にも「行く」に対して「行ける」、「飛ぶ」に対して「飛べる」のような可能動詞というものが存在します。

フィンランド語の可能法とは意味が異なるものの、文法的には少し似ているような気もします。。。どうでしょう?

 

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