サソリとカエル

photo credit: New beginning via photopin (license)

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フランスのテロやトルコのクーデターなど、血なまぐさいニュースが次々に入ってくるこの頃。

そんなニュースを聞いて、人間の性(さが)というものについて考えていたときに、ふと思い出した一つの寓話があります。

サソリとカエルが一本の川を前にしています。

サソリ:川を渡りたいので、背中に乗せてくれないか?

カエル:そんなことをしたら、その針で背中をぶすっと刺すんだろう。

サソリ:いやいや、おまえを刺したら、二人とも川に沈んでしまうだろう。

カエル:なるほど。たしかに。

ということで、カエルは背中にサソリを乗せて川を渡ることにしました。しかし川の中程まで来たときに、背中に鋭い一撃を感じます。

カエル:何でそんなことを? 二人とも川に沈んでしまうのに。

サソリ:それがサソリの性ってものなんだよ。。。

この話を「悪人というのはどこまでいっても悪人である」というように解釈する人もいるようです。

ただ個人的には、どうもそのように思えません。

サソリだって本当は刺したくなかったに違いないのです。

しかし目の前に刺すべきものがあれば刺してしまう。それがサソリの性なのだと。

さが【性】

〔本来、漢語とされる〕自分の力ではどうすることも出来ない、生まれつきの性質やめぐりあわせ。「悲しいー/浮き世のー」

「新明解国語辞典 第七版」

もちろん、全てを性の問題にして、思考停止してしまうわけにはいきません。

しかし私たちの社会で今起こっていることを振り返ってみると、人間もこのサソリの針を持っていると思わずにはいられません。

 
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