フィンランド語学習記 vol.400 − カウリスマキ監督のお仕事
ブルーレイでアキ・カウリスマキ監督の『愛しのタチアナ』というフィンランド映画を観ました。
昔一度観ているはずなのですが、細かいところはすっかり忘れていて、新作のように楽しむことができました。
映画が終わり、一息つきながらエンドクレジットを眺めていたら、次のような表記が。
アキ・カウリスマキ(Aki Kaurismäki)監督は ohjaus, leikkaus, tuotanto, käsikirjoitus という4つの項目で名前がクレジットされています。
気になったので、これらの単語の意味を調べてみました。
フィン | 英 | 日 |
---|---|---|
ohjaus | direction | 監督 |
leikkaus | editing | 編集 |
tuotanto | production | 製作 |
käsikirjoitus | scenario | 脚本 |
なるほど。カウリスマキ監督は監督・編集・製作・脚本の4役を兼ねているんですね。
脚本を兼ねる監督というのは多いと思いますが、編集まで兼ねる監督というのはあまりいないのではないでしょうか。本作でも随所に監督の細かいこだわりが発揮されているのでしょう。
それはそれとして、本作『愛しのタチアナ』はオフビートな恋愛映画の傑作。
物語はシンプルで、フィンランド人の男二人がレストランで偶然出会ったロシア人とエストニア人の女の子を車で港まで送っていくというそれだけのお話。
マッティ・ペロンパー演じる主人公の一人レイノは、もう一人の主人公ヴァルトと二人の時にはおしゃべりが止まらないのに、女の子が同乗するとすっかり無口に。
このあたりの描き方がいかにもカウリスマキという感じで、くすりと笑ってしまいます。
ある意味ではステレオタイプなのかもしれませんが、こういった映画のキャラクターたちが、自分の中のフィンランド人のイメージを作ってきたんだなということに改めて思い当たりました。久しぶりに他の作品も見返してみようと思います。
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