テレビ・ラジオの冠詞問題について

photo credit: kasiQ radio via photopin (license)

photo credit: kasiQ radio via photopin (license)

この前「Radio Suomipop」というインターネットラジオを聞いていたときに、ふと思い出したのがテレビ・ラジオの冠詞問題。例えば、

watch TV
listen to the radio

と言うとき、TV には冠詞が付かないのに、radio には定冠詞の the が付きます。

TV については、テレビの受信機という「もの」を指すときには TV にも冠詞を付ける。一方、テレビ放送という「中身」を指すときには冠詞を付けないというのが一般的な説明でしょうか。

つまり watch TV と言うときには、テレビの受信機ではなくテレビ放送を見ているので無冠詞になるのだということ。

この説明には一定の説得力がありますが、「それではなぜ radio には the を付けるのか?」と聞かれたときには返答に困ってしまいます。

ただ改めて考えて見ると、私たちはテレビを見ているときと比べて、ラジオを聞いているときにはあの小さい箱(モノとしてのラジオ)を多少なりとも意識しているようにも思うのです。

だとすれば、モノとしての手触りのないインターネットラジオについては無冠詞の listen to internet radio という表現が主流になっているのではないか?と思い、少し調べてみたのですが、実際には冠詞のある listen to the internet radio という表現の方が主流のようでした。

言葉というのはそう簡単に変わらないということなのか、そもそも上記の仮説が間違っているのか。いずれにしても一筋縄では行かない英語表現の世界です。