藍色と洋紅色
有島武郎の童話「一房の葡萄」の主人公は絵を描くのが好きな小学生。
学校のある横浜の港の風景を描こうとするものの、手持ちの絵具ではどうしても表現できない色があることに気が付きます。
けれどもあの透きとおるような海の藍色と、白い帆前船などの水際近くに塗ってある洋紅色とは、僕の持っている絵具ではどうしてもうまく出せませんでした。いくら描いても描いても本当の景色で見るような色には描けませんでした。
物語の鍵になっている藍色と洋紅色の絵具。藍色はわかるのですが、洋紅色というのがいったいどんな色なのか想像できません。
いわゆる普通の紅色と何が違うのでしょう?
国語辞書には次のように出ています。
ようこう【洋紅】
食品・化粧品などの染色や、絵の具に使う紅色の色素。⇒カーマイン レッド
「新明解国語辞典 第七版」
カーマインという英名が出てきたので、英英辞書も調べてみました。
carmine
a dark red colour
「Oxford Advanced Learner’s Dictionary」
dark red というのはワインのような色ということでしょうか?
どうもピンと来ないので、色検索のサイトで調べてみると、、、
なるほど、洋紅色(カーマイン)というのはこんな感じの色だったんですね。
たしかに赤ともピンクとも朱色とも違う、独特の風味を持った色合い。
一房の葡萄の「僕」がこの色に強く惹かれたのも、さもありなんという感じでしょうか。
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