フィンランド語学習記 vol.438 − 能動過去分詞の使い方

photo credit: Daniel Kulinski Horizon via photopin (license)

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昨日の能動過去分詞に関するエントリーの続きです。

フィンランド語学習記 vol.437 − 能動過去分詞の作り方

今回は能動過去分詞の形容詞としての使い方を見ていきましょう。フィンランド語教室のテキスト『suomea suomeksi 2』には次のような用例が出ています。

kaatua
(倒れる)
kaatunut puu
(倒れた木)
kuolla
(死ぬ)
kuollut lintu
(死んだ鳥)
saada
(得る)
suudelman saanut mies
(キスをされた男)
pudota
(落ちる)
maahan pudonnut omena
(地面に落ちたリンゴ)

 

太字の部分が能動過去分詞[-nut/-nyt]の形になっています。

この形を作るだけなら、きのうのエントリーで扱った能動過去分詞の作り方を押さえていれば大丈夫。

ただフィンランド語では、これらのフレーズが文中の役割に応じてさらに格変化をします。以下にその例を見ていきましょう。

 

kaatunut puu(倒れた木)

Metsässä oil kaksi kaatunutta puuta.
(森には二本の倒れた木があった。)

2以上の数詞の後に来ているので、二本の木は分格の形になっています。

単数主格 kaatunut kuu
単数分格 kaatunutta kuuta

 

kuollut lintu(死んだ鳥)

Näin kuolleen linnun.
(私は死んだ鳥を見た。)

目的語なので、死んだ鳥は対格[-n]の形になっています。

単数主格 kuollut lintu
(語幹) kuollee lintu : linnu
単数対格 kuolleen linnun

 

*能動過去分詞の単数語幹は語尾の[-ut/-yt]を[-ee]に変えた形です。

 

suudelman saanut mies(キスをされた男)

Joku pitää suudelman saaneesta miehestä.
(誰かがキスをされた男のことを好きだ。)

pitää+出格で「〜が好きだ」の意味になるので、キスをされた男は単数出格[-stA]の形になっています。

単数主格 saanut mies
単数出格 saaneesta miehestä

 

maahan pudonnut omena(地面に落ちたリンゴ)

Puutarhassa oil paljon maahan pudonneita omenia.
(庭園にはたくさんの地面に落ちたリンゴがあった。)

paljon(たくさんの)の後に来ているので、地面に落ちたリンゴは複数分格の形になっています。

単数主格 pudonnut omena
(語幹) pudonnei omeni
複数分格 pudonneita omenia

 

*能動過去分詞の複数語幹は語尾の[-ut/-yt]を[-ei]に変えた形です。

 

まとめ

以上、今回は能動過去分詞の形容詞としての使い方を取り上げてみました。

過去分詞を作ること自体はそれほど難しくないのですが、そこからさらに格変化をするときに語幹が少し変わった形になるのがやっかいなところ。

とはいえ、能動過去分詞の語尾はみな同じ形[-ut/-yt]なので、そこから派生する形は限られています。覚えておかなければならないのは単複の語幹と分格の形くらいでしょう。

väsynyt(疲れた)

単数 複数
語幹 väsynee väsynei
分格 väsynyttä väsyneitä

*単数分格は能動過去分詞の原形に[-tA]を付け、複数分格は複数語幹に[-tA]を付ける。