フィンランド語学習記 vol.440 − revontulet
フィンランド語で「オーロラ」は revontulet(レヴォントゥレット)。
この revontulet は revon+tulet という構造の複合語。
revon は「狐」を意味する repo の属格、tulet は「火」を意味する tuli の複数主格です。
単数主格 | repo |
---|---|
↓ | |
単数属格 | revon |
単数主格 | tuli |
---|---|
↓ | |
複数主格 | tulet |
つまり revontulet というのはもともと「狐火」という意味なのだそうです。
この由来について「フィンランド政府観光局公式ホームページ」には次のような説明が出ていました。
サーミの伝説によれば、キツネが北極圏の丘を走るとき、尻尾が雪原に触れ、それが火花となって巻き上がり、夜空に光となって現れるのだとのこと。
「フィンランド政府観光局公式ホームページ」より
あのオーロラにはそんな想像力溢れる言い伝えが隠されていたんですね。
ところで「狐火」というのはたしか日本にもあったはず、と思って辞書を調べてみると見出し語になっているのを発見。
きつねび【狐火】
(狐が口から吐くという俗説に基づく)
暗夜、山野に見える怪火。鬼火・燐火などの類。狐の提灯。
…「広辞苑 第五版」
そうそう、日本の狐火というのは怪談に出てくるような、おどろおどろしいイメージです。
日本の狐火とフィンランドの revontulet。遠く離れた二つの地域で、イメージの全く異なる二つの狐火が生まれたのは単なる偶然なのでしょうか?