「天降り」は英語で何と言う?
あまくだり【天降り】
〔天上の神の世界から地上の人間の世界に下る意〕
- 退職した高級官僚が、関連の有る民間企業(団体)に転職すること。
- 上からの強制的命令(指示)。
表記 「天下り」と書くことも有る。
「新明解国語辞典 第七版」
天降り(天下り)の問題がまたニュースになっているようです。
この天降りというのは考えてみればずいぶん大仰な日本語で、上記の語義にもあるように、もともとは神が天上から地上に下ることを意味します。
しかし現代ではすっかりマイナスイメージの言葉になってしまいました。
そんな天降りを英語で話題にしたいときには、どのような表現を用いればよいのでしょう?
手元の和英辞書には次のような表現が出ていました。
parachute
(そのような役人は a parachutist 主に新聞用語)
▶彼は官庁からわが社に天下ってきた
He has parachuted into our firm from the government office.「ウィズダム和英辞典 第2版」
なるほど。parachute というのは言い得て妙な表現ですね。
実際にパラシュートで空から降りて来るお偉いさんを想像すると、何だか笑ってしまいそうになります。
また次のような表現も見つけることができました。
revolving door
1 An entrance to a large building in which four partitions turn about a central axis.
…
1.3 US Used to refer to a situation in which someone moves from an influential government position to a position in a private company, or vice versa:
‘the revolving door between the administration and private lobbying firms’
revolving door というのは、海外の大きなショッピングモールやデパートで見かける「回転ドア」のこと。
こちらも回転ドアの中でぐるぐるぐるぐる回っているお偉いさんを想像すると、何だか笑ってしまいそうになります。
parachute と revolving door、どちらも皮肉が利いていて、英語らしいユーモアのある表現だと思いました。