「タキシード」と「タクシー」の違いとは?

17020901

タキシード

男子の、夜間用の略式の礼服。背広形で、燕尾(エンビ)服の代用。

「新明解国語辞典 第七版」

タクシー

〔流しながら(駐車場で)随時、客を乗せる〕貸切自動車。

「新明解国語辞典 第七版」

「タキシード」は英語で tuxedo /tʌkˈsiːdəʊ/。

「タクシー」は英語で taxi /ˈtaksi/。

このように英語の発音を並べてみると不思議に思うのは、なぜ tuxedo はタキシードになり、taxi はタクシーになるのだろう?ということ。

というのは tuxedo がタキシードになるなら、taxi もタキシーになるはずですし、taxi がタクシーになるなら、tuxedo もタクシードになるはず。

タキシードとタクシーという表記は、いわゆるダブルスタンダードではないかと思うのです。

調べてみると、この日本語表記の使い分けは平成3年の内閣告示第2号「外来語の表記」で次のように定められていることがわかりました。

6 英語のつづりのXに当たるものを「クサ」「クシ」「クス」「クソ」と書くか、「キサ」「キシ」「キス」「キソ」と書くかは、慣用に従う。

〔例〕タクシー ボクシング ワックス オックスフォード(地)

エキストラ タキシード ミキサー テキサス(地)

結論が「慣用に従う」ということですから、用法が定められているというよりは、むしろ定められていないと言った方がよいのかもしれません。

ミキサーなんていうのも言われてみればなるほどという感じで、本来ならミクサーであってもよい訳ですね。

またここには挙がっていませんが、サクソフォン/サキソフォンのように表記が統一されていない単語もあります。

もっとも外国語の音をそのまま日本語に移している以上、どこかに無理が生じるのは当然のこと。

とはいえ tuxedo がタキシードになり、taxi がタクシーになったのは、単に最初の人がそう書いたからなのか、それとも他の理由があったのか。もしかしたら今となっては知る由もない秘められた物語があるのかもしれません。

 
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