フィリピンとフィリピン人

photo credit: helloizzat The Paraws of Boracay via photopin (license)

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英語の難しさの一つは、音と文字が一対一の対応ではないということ。

例えば /f/ という音を表すのに[f]という文字を当てることもあれば、[ph]という文字を当てることもあります。

  • fork /fɔːk/
  • phone /fəʊn/

/f/ の音を表すのにわざわざ[ph]という文字を用いる理由は何なのでしょう?

その答えは単語の由来にあります。

基本的に[ph]の綴りを持つ単語の多くはギリシア語に由来すると言われています。(e.g., philosophy)

ギリシア語で /f/ の音を表す[φ]という文字が、ラテン語では[ph]に置き換えられたため、現代英語にもその綴りがそのまま残っているのだそう。

しかしそんな説明では到底説明しきれないのがいわゆるフィリピンとフィリピン人の問題です。

まずは次の単語を見てみてください。

(the) Philippines

a country consisting of a group of islands in South East Asia

「Oxford Advanced Learner’s Dictionary」

Filipino

  1. a person from the Philippines
  2. the language from the Philippines

「Oxford Advanced Learner’s Dictionary」

Filipina

a woman from the Philippines

「Oxford Advanced Learner’s Dictionary」

国名のフィリピンは[ph]で綴るのに、そこに住むフィリピン人は[f]で綴るという奇妙なルールになっています。

この整合性のなさはいったいどこからやってきたのでしょう?

「そうなっているからそうなっている」としか言えない、英語における音と文字の奇妙なルールの一つです。

 
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