甘い味は何の味?
あなたが国語辞典の執筆者になったと想像してみてください。
そして【甘い】の項目に「◯◯のような味」という語釈を書きたいとします。
◯◯に入る単語を一つ挙げるとしたら、何を選びますか?
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ふとそんなことを思い付いて、手持ちの国語辞書を横断してみました。いくつか引用してみたいと思います。
あまい【甘い】
砂糖のような味がする。また、塩味がうすい。
「角川必携国語辞典」
まずは砂糖。たしかに「甘い」のスタンダードと言えば砂糖でしょう。
あまい【甘い】
砂糖や蜜のような味がする。
「ベネッセ表現読解国語辞典」
続いて蜜。自然界にあるという意味では、ブレのない味と言えるかもしれません。
あまい【甘い】
砂糖や蜜(ミツ)のように、舌に快く感じられる(抵抗感を与えない)味だ。
「新明解国語辞典 第七版」
またまた砂糖と蜜。「抵抗感を与えない」というのは新明解らしい一歩突っ込んだ語釈でしょうか。
あまい【甘い】
砂糖・あめなどの味がするさま。
「広辞苑 第五版」
今度はあめが登場。でも甘くないあめだってありますよね?
、、、とこういう突っ込みを避けるために、砂糖と蜜ばかり出てくるのかもしれません。
チョコレートくらいは出てくるのかなと思ったのですが、案外保守的な記述になっているのだなという印象。
自分だったら、どんな例を挙げるかなと考えてみたところ、
あまい【甘い】
ようかんやバウムクーヘンのような味。
アメリカのチョコレートは日本のチョコレートよりー「しろくま国語辞典」
こんな感じになりました。みなさんだったら何を選びますか?