壱、弐、参

17031801

手持ちの財布に一万円札が入っていたら、一枚取り出してみてください。

そこには一万円ではなく「壱万円」と書いてあるはずです。

あるいは(可能性は極めて低いでしょうが)もし財布に二千円札が入っていたら、一枚取り出してみてください。

そこには二千円ではなく「弐千円」と書いてあるはずです。

なぜお札では「一、二」の代りに「壱、弐」という漢字を使うのでしょう?

その答えが国語辞書の中にのっていました。

だいじ【大字】

  1. 一つの文書(書物)で二通りの書き分けがある場合、大きな方の文字。←→小字
  2. 漢数字の一・二・三などの代りに書く、「壱・弐・参」などの文字。改まった場合や改竄(カイザン)を防ぐ目的などで用いられる。

「新明解国語辞典 第七版」

これによると「壱・弐・参」という漢字を使うのは改竄を防ぐ目的とのこと。

例えば「一」という漢字は、横棒を足せば「二」や「三」になりますし、縦棒を足せば「十」になります。

よってそのような行為を防ぐために、難しい漢字を使っているということなんですね。

一万円札を十万円札に修正するのは無理があるとしても、一般的な書類なら十分にあり得る話。

セキュリティを強化したいなら「壱・弐・参」の字を使った方がよいのかもしれません。

 
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