壱、弐、参
手持ちの財布に一万円札が入っていたら、一枚取り出してみてください。
そこには一万円ではなく「壱万円」と書いてあるはずです。
あるいは(可能性は極めて低いでしょうが)もし財布に二千円札が入っていたら、一枚取り出してみてください。
そこには二千円ではなく「弐千円」と書いてあるはずです。
なぜお札では「一、二」の代りに「壱、弐」という漢字を使うのでしょう?
その答えが国語辞書の中にのっていました。
だいじ【大字】
- 一つの文書(書物)で二通りの書き分けがある場合、大きな方の文字。←→小字
- 漢数字の一・二・三などの代りに書く、「壱・弐・参」などの文字。改まった場合や改竄(カイザン)を防ぐ目的などで用いられる。
「新明解国語辞典 第七版」
これによると「壱・弐・参」という漢字を使うのは改竄を防ぐ目的とのこと。
例えば「一」という漢字は、横棒を足せば「二」や「三」になりますし、縦棒を足せば「十」になります。
よってそのような行為を防ぐために、難しい漢字を使っているということなんですね。
一万円札を十万円札に修正するのは無理があるとしても、一般的な書類なら十分にあり得る話。
セキュリティを強化したいなら「壱・弐・参」の字を使った方がよいのかもしれません。
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カテゴリ: 辞書/辞典/その他, 教育
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