フィンランド語学習記 vol.457 − どこから来て、どこへ行く?
フィンランド語を学んでいると「この構文は日本語に似ているな」あるいは「この構文は英語に似ているな」というように、無意識のうちに自分のよく知っている言語の方に引き寄せて理解しようとしている自分に気が付くことがあります。
そんな無意識の姿勢に気付かされるのは、日本語にも英語にも全く似ていない文に出会ったとき。
Mihin sinä olet menossa?(どこへ行くところですか?)
Mistä sinä olet tulossa?(どこから来るところですか?)
「ニューエクスプレス フィンランド語」P.131
menossa は「行くこと」を意味する名詞 meno の内格[-ssA]の形。
tulossa は「来ること」を意味する名詞 tulo の内格[-ssA]の形。
内格は英語の in に当たる格なので、上記の文を逐語的に英訳すれば次のようになるでしょうか。
Where you are in ‘going’ to?
Where you are in ‘coming’ from?
Where you are in ‘coming’ from?
*自然な英文なら次のようになるでしょう。
Where are you going?
Where are you coming from?
Where are you coming from?
要はフィンランド語には英語の be+〜ing のような明確な進行形(進行相)がないので、このような形を用いるということ。(目的語の形によって進行相を示すこともあります。)
逐語的な発想では絶対に思い付かないので、フレーズとして覚えるしかありません。
こういった表現に出会うのが外国語の学習において最も面白いことであり、かつこういった表現を使いこなすのが外国語の学習において最も難しいことなのだと思います。
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