diaeresis
いつも机上に置いている『角川必携国語辞典』は歴史上の人名が充実している印象。
例えば、こんな項目ものっていました。
ブロンテさんしまい【ブロンテ三姉妹】
人名 姉シャーロット・ブロンテ。一八一六 ー 五五年。妹エミリ・ブロンテ。一八一八 ー 四八年。末妹アン・ブロンテ。一八二〇 ー 四九。三人ともイギリスの女流小説家。シャーロットの代表作は「ジェーン・エア」、エミリの代表作は「嵐が丘」、アンの代表作は「アグネス・グレー」。|Charlotte Brontë/Emily Brontë/Anne Brontë/
「角川必携国語辞典」
ブロンテというファミリーネームのアルファベット表記は Brontë。
よく見ると最後の[e]が[ë]になっています。
この点々はいったい何なのでしょう?
調べてみると、このマークには diaeresis という名前が付いていました。
diaeresis
(US dieresis)
NOUN
A mark (¨) placed over a vowel to indicate that it is sounded separately, as in naïve, Brontë.
diaeresis というのは、このマークが付いた母音は(二重母音や黙字ではなく)単独で発音するということを示すための記号。
Brontë という名前のケースでは、もし[e]にマークが付いていなければ[e]は黙示として扱われるのが普通でしょう。(つまり /ˈbrɒnt/ という発音になる。)
よって[ë]の点々は[e]を[e]としてきちんと発音してもらうための補助記号ということになるのだと思います。