あぶら雨
みなさん、料理には何の油を使っていますか?
ウチにあるのは、紅花油、オリーブオイル、ココナッツオイルの3種類。
特にポリシーがある訳ではないのですが、何となくそのときの気分で使い分けています。
とはいえ元来が味オンチなので、ココナッツオイル以外の味の違いはあまりよくわからないというのが正直なところ。
本来は「この料理にはこの油」という相性があるんですよね。
それはさておき、先日炒め物をしたときに鍋に水気が残っていたのか、盛大に油が跳ねて火傷をしかけたことがありました。
炒め物をするときの油の温度は200度にもなるそうですから、取り扱いにはくれぐれも注意をしなければなりません。
さてこれは想像のお話ですが、もしもそんな熱々の油が突然空から降ってきたら、私たちはどうなってしまうのでしょう?
そんな恐ろしい想像をかき立てる見出し語が『雨のことば辞典』に出ていました。
あぶら雨
沖縄県波照間島に伝わる、大昔降ったという熱い雨。新聞のコラムが、大昔、乱れたこの世に怒った神は熱いあぶら雨を降らせ、二人の兄妹だけを残して地上に生きるすべてのものを死に絶えさせた、という島の古老の話を紹介し、あぶら雨とは「火山の噴火だ」「いや嵐をたとえたのだ」と諸説があると述べていた(山内健治「私空間」『朝日新聞』一九九九・三・三 夕刊)。
「雨のことば辞典」P.18
あぶら雨という言葉には、単に熱雨などと言うよりも鮮烈なイメージの喚起力があります。
今ふたたび乱れたこの世に怒った神が熱いあぶら雨を降らせることはないものでしょうか。
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