die or dice?
「さいころ」を Google 翻訳で英訳すると次のように変換されます。
さいころ → dice
しかしこの dice というのはもともと die という単語の複数形。
この die を使った有名なフレーズはやはりこちらでしょう。
The die is cast.(賽は投げられた。)
さいは投げられた 句
〔カエサルがルビコン川をわたってローマに進軍するときに言ったという〕一度こうしようと決めた以上、最後までやりぬくほかはない。やることはもはや決定した、ということ。
「三省堂国語辞典 第七版」
die はもちろん「死ぬ」を意味する動詞の die と綴りは同じ。
そのため、さきほどのフレーズでは「さいころ」を意味する die が迫り来る死を暗示するダブルミーニングになっているような印象を受けます。
ただカエサルが話していたのは英語ではなくラテン語ですから、これは偶然の一致。
英訳の際に思いがけずこのような意味の重なりができたということなのでしょう。
それはそれで何だか神秘的な話ではないでしょうか。
さて話は戻って現代へ。
現代英語においては、die をさいころの意味で使うことはほとんどなく、単数・複数ともに dice を用いることがほとんど。
ただ現代の英語学習者にとっては「単数・複数ともに dice」というのは「dice の単数形は die」と同様に紛らわしいルールではあります。
いっそ複数形を dices にしてくれれば間違いは減ると思うのですが、そうならないところが不規則好きの英語らしいとも思います。