ミルクは大丈夫

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このところ、コンビニエンスストアに行くと外国人の店員さんが目立つようになりました。

職場近くのコンビニでも、店員さんはみな中国系や東南アジア系の外国人。

そんな店員さんとのちょっとした言葉のやりとりの中で、時々日本語の繊細さのようなものに気付かされることがあります。

例えばこの季節、アイスコーヒーを買うと「ミルクはいりますか?」と聞かれます。

ミルクはいらないので「あ、大丈夫です」と答えると、たまに「ん?」という表情をされることがあって何だか少し気になっていました。

ある日、そんなやりとりの後にふと、

大丈夫という日本語にそもそも「いらない」という意味はあるのだろうか?

という疑問が浮かびました。

もしかしたら自分の日本語が間違っていたのかもしれません。確認のため、さっそく辞書を引いてみることにしました。

だいじょうぶ[大丈夫]

一(形動ダ)

①病気や けが、損害などが(深刻で)ないようす。無事。

②不安や心配がないようす。問題が起こりそうでないようす。

③〔俗〕よろしい。けっこう。

「おさらをお下げしてもーですか・『レジぶくろはー〔=ご不要〕ですか』『はい、ーです〔=いりません〕』」

「三省堂国語辞典 第七版」

こうして見ると「いらない」の意味もきちんと③に入っています。ただこの用法には俗語のラベルが貼ってあります。

改めて考えてみると all right を中核の意味とする大丈夫という単語を「いらない」の意味で使うのは、外国語として日本語を使う人に取っては紛らわしいことなのかもしれません。

そんな訳で、次は「けっこうです」と言ってみようと思います。

こんなとき、本来なら一番わかりやすい表現は「いりません」なのでしょうが、あまりに直接的過ぎて気が引けてしまいます。こういうところが日本語の最も難しいところなのかもしれませんが。。。

 
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