右から左
人から聞いたことをすぐに忘れてしまう、そんな様子を評して「右から左」と言うことがあります。
・右から左 句
①受け取ってすぐ。たちまち。
「ーへ使ってしまう」
②簡単に。
「ーに実現するものではない」
③ただ移動〈する/させる〉だけ。
「頭にはいらず、ーへぬける」
「三省堂国語辞典 第七版」
要は、聞いたことが頭の中にとどまらず、右の耳から左の耳へすぐに抜けていくということなのでしょう。
みなさんの職場や学校にもそんなタイプの人はいるでしょうか?
あるいは「私自身がそうです!」という人もいるかもしれませんね。
ところで、話の内容はなぜ「左から右」ではなく「右から左」に抜けていくのでしょう? 調べてみたものの、どうもよくわかりません。
そこで他の言語はどうなっているのだろう?と思い、英語辞書を探してみたところ次のような表現を見つけました。
go in one ear and out the other
(informal) (of information, etc.) to be forgotten quickly
Everything I tell them just goes in one ear and out the other.「Oxford Advanced Learner’s Dictionary」
英語では「片方の耳から入って、もう片方の耳から出る」という表現。
言いたいことは日本語の「右から左」と同じですが、左右は指定されていません。
日本語の場合はこの「右から左」以外にも「右と言えば左」「右も左もわからない」などなど、右と左を使った慣用句では大抵「右→左」の順番になっています。
「右→左」の方がおさまりがいい何らかの理由があるのでしょうか?
三省堂国語辞典 第七版
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カテゴリ: 辞書/辞典/その他, 教育
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