右から左

17082301

人から聞いたことをすぐに忘れてしまう、そんな様子を評して「右から左」と言うことがあります。

右から左 句

①受け取ってすぐ。たちまち。

「ーへ使ってしまう」

②簡単に。

「ーに実現するものではない」

③ただ移動〈する/させる〉だけ。

「頭にはいらず、ーへぬける」

「三省堂国語辞典 第七版」

要は、聞いたことが頭の中にとどまらず、右の耳から左の耳へすぐに抜けていくということなのでしょう。

みなさんの職場や学校にもそんなタイプの人はいるでしょうか?

あるいは「私自身がそうです!」という人もいるかもしれませんね。

ところで、話の内容はなぜ「左から右」ではなく「右から左」に抜けていくのでしょう? 調べてみたものの、どうもよくわかりません。

そこで他の言語はどうなっているのだろう?と思い、英語辞書を探してみたところ次のような表現を見つけました。

go in one ear and out the other

(informal) (of information, etc.) to be forgotten quickly

Everything I tell them just goes in one ear and out the other.

「Oxford Advanced Learner’s Dictionary」

英語では「片方の耳から入って、もう片方の耳から出る」という表現。

言いたいことは日本語の「右から左」と同じですが、左右は指定されていません。

日本語の場合はこの「右から左」以外にも「右と言えば左」「右も左もわからない」などなど、右と左を使った慣用句では大抵「右→左」の順番になっています。

「右→左」の方がおさまりがいい何らかの理由があるのでしょうか?

 
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