姉妹がなくなってしまったら
日本語の「兄弟」と「姉妹」の違いとは何でしょう?
それはもちろん男女の違い、、、ではあるのですが、日本語の「兄弟」という表現は女性を含むケースもあります。
例えば「兄弟は何人いますか?」という質問は、兄と弟だけではなく、兄弟姉妹の総数を聞いていると考えるのが普通でしょう。
それではもしも日本語から「姉妹」という単語がなくなってしまっても困ることはないのでしょうか?
ただ「姉妹」という日本語には「兄弟」にない別の役割があります。
例えば、ある本とある本の関係性を示すために、
という表現をすることがあります。
これはあくまで姉妹編であり、兄弟編ではありません。
この用法は国語辞書ではどのように説明されているのでしょう?
しまい[姉妹](名)
①(自分の)あねといもうと。(↔兄弟)
②同じ〈系統/型〉のもの。
「ー会社・ー船」
③特別な関係を結んでいるもの。
「ー校」
・ーとし[姉妹都市](名)
外国の都市と文化交流や親善のための協定を結び、民間外交につとめる都市。例、京都市とパリ。
「三省堂国語辞典 第七版」
三国によれば姉妹には「②同じ〈系統/型〉のもの」「③特別な関係を結んでいるもの」という意味があり、前者の例として「姉妹会社、姉妹船」、後者の例として「姉妹校」が挙げられています。
当然これらの例も「兄弟」に置き換えて表現することはできません。
(兄弟校と言っても一応意味は伝わるかもしれませんが。。。)
つまり日本語の「兄弟」はあらゆる「姉妹」を包括している訳ではなく、姉妹には姉妹固有の用法もあるということ。
よってもしも「姉妹」という単語がなくなってしまったら、単に女性のきょうだいを表す言葉が消えるだけでなく、日本語の豊かな側面が一つ失われてしまうのはたしかでしょう。
三省堂国語辞典 第七版
価格: ¥1,700(記事公開時)
カテゴリ: 辞書/辞典/その他, 教育
App Storeで詳細を見る