「さん」それとも「やま」? − 山名における「山」の読み方について(2)
きのうのエントリーでは、山名における「山」という漢字の読み方について書きました。
「さん」それとも「やま」? − 山名における「山」の読み方について
ところでそもそも日本の山名というのは、山を「さん」と読む場合と「やま」と読む場合のどちらが多いのでしょう?
きのうのエントリーを書いた後に、ふとそんなことが気になったので調べてみることにしました。調べるとはいっても、山名のリストを見ながらひたすらカウントしていくという原始的な手法です。
あまりに細かい山まで検証するのは大変なので、今回は百名山に絞ってカウントしてみました。
百名山のうち山名に「山」が付く山
百名山のうち山名に「山」が付く山は以下の50峰。
(トムラウシ山と御嶽山は、深田久弥『日本百名山』ではそれぞれ「トムラウシ」「御嶽」の表記になっているのでここではカウントしていません。)
- 大雪山
- 後方羊蹄山
- 岩木山
- 八甲田山
- 岩手山
- 鳥海山
- 月山
- 蔵王山
- 飯豊山
- 吾妻山
- 安達太良山
- 磐梯山
- 巻機山
- 至仏山
- 雨飾山
- 苗場山
- 妙高山
- 火打山
- 高妻山
- 男体山
- 奥白根山
- 皇海山
- 武尊山
- 赤城山
- 草津白根山
- 四阿山
- 浅間山
- 筑波山
- 立山
- 蓼科山
- 両神山
- 雲取山
- 金峰山
- 瑞牆山
- 丹沢山
- 富士山
- 天城山
- 恵那山
- 鳳凰山
- 白山
- 伊吹山
- 大台ヶ原山
- 大峰山
- 大山
- 剣山
- 石鎚山
- 九重山
- 祖母山
- 阿蘇山
- 霧島山
百名山のうち山名の「山」を「さん」と読む山
百名山のうち山名の「山」を「さん」と読む山は以下の33峰。
- 大雪山(たいせつざん)
- 岩木山(いわきさん)
- 八甲田山(はっこうださん)
- 岩手山(いわてさん)
- 鳥海山(ちょうかいさん)
- 月山(がっさん)
- 蔵王山(ざおうさん)
- 飯豊山(いいでさん)
- 吾妻山(あづまさん)
- 磐梯山(ばんだいさん)
- 至仏山(しぶつさん)
- 苗場山(なえばさん)
- 妙高山(みょうこうさん)
- 男体山(なんたいさん)
- 奥白根山(おくしらねさん)
- 皇海山(すかいさん)
- 草津白根山(くさつしらねさん)
- 四阿山(あずまやさん)
- 筑波山(つくばさん)
- 両神山(りょうかみさん)
- 金峰山(きんぷさん)
- 丹沢山(たんざわさん)
- 富士山(ふじさん)
- 天城山(あまぎさん)
- 恵那山(えなさん)
- 鳳凰山(ほうおうざん)
- 白山(はくさん)
- 大峰山(おおみねさん)
- 剣山(つるぎさん)
- 石鎚山(いしづちさん)
- 九重山(くじゅうさん)
- 祖母山(そぼさん)
- 阿蘇山(あそさん)
百名山のうち山名の「山」を「やま」と読む山
百名山のうち山名の「山」を「やま」と読む山は以下の16峰。
- 後方羊蹄山(しりべしやま)
- 安達太良山(あだたらやま)
- 巻機山(まきはたやま)
- 雨飾山(あまかざりやま)
- 火打山(ひうちやま)
- 高妻山(たかつまやま)
- 武尊山(ほたかやま)
- 赤城山(あかぎやま)
- 浅間山(あさまやま)
- 立山(たてやま)
- 蓼科山(たてしなやま)
- 雲取山(くもとりやま)
- 瑞牆山(みずがきやま)
- 伊吹山(いぶきやま)
- 大台ヶ原山(おおだいがはらやま)
- 霧島山(きりしまやま)
まとめ
ここまでの数字をまとめると、次のようになります。
- 百名山のうち山名に「山」が付く山=50
- 百名山のうち山名の「山」を「さん」と読む山=33
- 百名山のうち山名の「山」を「やま」と読む山=16
*足し算が合わないのは読み方が「さん」でも「やま」でもない「大山(だいせん)」という山があるため。
カウントの結果、少なくとも百名山のレベルでは「やま」よりも「さん」と読む山の方が多いことがわかりました。
よって読み方に迷ったら、あてずっぽうでも「さん」と読んでおけば7割くらいの確率で当たるはずです。
なお漢字表記を見たときに「さん・やま」のどちらか迷ってしまいそうな山はこのあたりでしょうか。
- 奥白根山
- 武尊山
- 恵那山
- 伊吹山
- 大峰山
正解はこちら。
- 奥白根山(おくしらねさん)
- 武尊山(ほたかやま)
- 恵那山(えなさん)
- 伊吹山(いぶきやま)
- 大峰山(おおみねさん)
山に詳しい人ならすらすら答えてしまうのかもしれませんが、そうでない人にとっては紛らわしい読み問題ではないでしょうか。