フィンランド語学習記 vol.498 − 第1不定詞長形(1)
先日のフィンランド語教室では第1不定詞長形という動詞の形を扱いました。
[第1不定詞短形]lukea(読む)
[第1不定詞長形]lukeakseni(私が読むために)
[第1不定詞長形]lukeakseni(私が読むために)
第1不定詞短形というのはいわゆる動詞の原形(辞書形)のこと。
フィンランド語の動詞の原形は正式には第1不定詞短形と呼ばれる形で、それに対して第1不定詞長形と呼ばれる形もあるのだとか。
文法用語が苦手な人にとっては「??」という感じかもしれませんが、基本的には動詞を使って「◯が〜するために」という意味を表すための形と覚えておけばよいでしょう。
まずはその作り方から見ていきましょう。
第1不定詞長形の作り方
第1不定詞長形は動詞の原形(第1不定詞短形)に変格語尾[-kse]を付け、その後に所有接尾辞を付けてつくります。
*変格語尾の基本形は[-ksi]ですが、後に所有接尾辞が付くと[-kse]に変化するので注意が必要。
ここでは各人称の所有接尾辞を付けた形を見てみましょう。
一人称単数 | lukeakseni | [-ni] | 私が読むために |
---|---|---|---|
二人称単数 | lukeaksesi | [-si] | あなたが読むために |
三人称単数 | lukeakseen lukeaksensa |
[-en] [-nsA] |
彼/彼女が読むために |
一人称複数 | lukeaksemme | [-mme] | 私たちが読むために |
二人称複数 | lukeaksenne | [-tte] | あなたたちが読むために |
三人称複数 | lukeakseen lukeaksensa |
[-en] [-nsA] |
彼ら/彼女らが読むために |
何となくイメージがつかめたでしょうか?
第1不定詞長形の慣用表現
フィンランド語には第1不定詞長形を使った次のような慣用表現もあるのだそう。
tietää(知っている) | → | tietääkseni(私が知る限り) |
muistaa(覚えている) | → | muistaakseni(私が覚えている限り) |
ymmärtää(理解する) | → | ymmärtääkseni(私が理解している限り) |
luulla(思う) | → | luullakseni(私が思う限り) |
これらは「◯が〜するために」とは訳せない、やや特殊な用法。
数は多くないので、そのまま覚えておきたいところです。
明日も引き続き、この第1不定詞長形について見ていきたいと思います。