このケーキ、普通においしい。
「このケーキ、普通においしい」などというときの「普通に」の使い方について考えてみたいと思います。
ふつう[(普通)]
一(名・形動ダ)
…
⑤〔俗〕〔「ーに」の形で〕
ⓐべつに変なところがなく。とても。
「あの人、ーに歌うまいよね・このアイス、わたし的にはーにおいしい」
ⓑ当然(であるかのように)。
「あんなことを言われたらーにおこる・おれが言ったことを、なにーに忘れてるんだ?」
〔⑤は、二十一世紀になって広まった言い方〕
「三省堂国語辞典 第七版」
ここで注目したいのはⓐの部分。
「べつに変なところがなく。とても。」と併記してありますが、考えてみるとこの二つはずいぶんニュアンスが異なります。
そこでみなさんに一つ質問をしてみたいと思います。誰かが「このケーキ、普通においしい」と言ったときに、そのケーキの味は、
1)変ではない(=普通)
2)とてもおいしい
のどちらだと感じますか?
これはあなたがケーキを作ったとして、それを食べた人に「普通においしい」と言われたときに、むむっと思うか、素直に嬉しいかという問題でもあります。
私は(1)の意味で受け取ってしまうのですが、若い子がこの表現を使っているのを聞くと、どうも(2)の意味で(純粋なほめことばとして)使っているように感じられることもあります。
ここには世代間のギャップがあるのでしょうか?
三省堂国語辞典 第七版
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カテゴリ: 辞書/辞典/その他, 教育
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