フィンランド語学習記 vol.503 − 言葉の倉庫

17101201

フィンランド語教室のテキスト『suomea suomeksi 2』に「語学」をテーマにしたスキットが出てきました。

これがなかなか身につまされる内容。一部を抜粋してみます。

Yritin eilen lukea erästä viime jouluna joululahjaksi saamaani ranskankielistä romaania, mutta en pystynyt lukemaan sitä kunnolla. Olen unohtanut tavattoman paljon. Sanavarastoni on liian pieni.

きのう、去年のクリスマスにクリスマスプレゼントとしてもらった、あるフランス語の小説を読もうとしたんだけど、きちんと読むことができなかったんだ。とてもたくさんのことを忘れてしまっていて。僕の語彙はあまりに少ないんだ。
フィン
joululahja Christmas present クリスマスプレゼント
romaani novel 小説
pystyä be able to 〜できる
kunnolla properly きちんと
tavattoman singularly 著しく、非常に
sanavarasto vocabulary 語彙

 

ここで面白いなと思ったのが、「語彙」を意味する sanavarasto という単語。

これは「言葉」を意味する sana と「倉庫」を意味する varasto という単語から成る複合語。

フィンランド語の語彙は「言葉の倉庫」なんですね。何だかユニークな表現です。

さきほどのスキットを読んで思ったのは、語彙が少ないというのは、おそらくあらゆる言語学習者に共通の悩みで、語学を続けている限り「語彙はもう十分」なんて思えることはないのではないかということ。

時にはざるで水をすくうように、一進一退の作業を繰り返していくしかありません。

なおさきほどのスキットには、挿絵としてマルセル・プルーストの『失われた時を求めて』の表紙が描かれています。そんな作品を読もうと思ったら、ネイティブ並みの語彙が必要になりそうですね。

自分の場合は、まず絵本や簡単なニュースをすらすらと読めるようになることが目標。そのために日々コツコツと言葉の倉庫を満たしていきたいと思います。