フィンランド語学習記 vol.520 − 後置詞あれこれ(4)

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フィンランド語の後置詞に関するエントリーの続きです。

フィンランド語学習記 vol.517 − 後置詞あれこれ(1)

フィンランド語学習記 vol.518 − 後置詞あれこれ(2)

フィンランド語学習記 vol.519 − 後置詞あれこれ(3)

先日のエントリーで紹介したフィンランド語の後置詞の中にこんなセットがありました。


〔行く〕

〔ある〕
から
〔来る〕
väliin
(間へ)
välissä
(間に)
välistä
(間から)

 

これらの後置詞はいわゆる内部格(入格、接格、出格)の形になっていますが、実は次のような外部格(向格、接格、離格)の形をしたセットも存在します。


〔行く〕

〔ある〕
から
〔来る〕
välille
(間へ)
välillä
(間に)
väliltä
(間から)

 

意味は同じ「間へ、間に、間から」なのに、いったい何が違うのでしょう?

フィンランド語教室のテキスト『suomea suomeksi 2』には次のような説明が出ていました。

Kissa on pöydän ja television välissä, mutta Hämeenlinna on Helsingin ja Tampereen välillä. Jos on kaksi paikkakuntaa, niin on tavallisesti välillä. Samoin jos me puhumme ajasta: Tulen kotiin kolmen ja neljän välillä. Myös abstraktisesti: Mikä ero on postposition ja preposition välillä?

『suomea suomeksi 2』P.109

ここでは välissä の代わりに valillä を用いる3つのケースが紹介されています。

順に見ていきましょう。

 

1)地域

Hämeenlinna on Helsingin ja Tampereen välillä.
(ハメーンリンナはヘルシンキとタンペレの間にある。)

ある地域とある地域の「間」という意味を表すときには välillä を用います。

 

2)時間

Tulen kotiin kolmen ja neljän välillä.
(3時と4時の間に家に帰る。)

何時と何時の「間」という意味を表すときには välillä を用います。

 

3)抽象的

Mikä ero on postposition ja preposition välillä?
(後置詞と前置詞の間にはどんな違いがあるのか?)

抽象的なもの同士の「間」を表すときには välillä を用います。

 

以上、värissä の代わりに värillä を用いる3つのケースをまとめてみました。

そもそもフィンランド語において、内部格(入格、接格、出格)を使うのか、外部格(向格、接格、離格)を使うのかという選択は理屈で割り切れない部分もあります。

今回の värissä と värillä の使い分けも考えるより慣れるしかないのかもしれません。