フィンランド語学習記 vol.532 − トゥルクと埼玉の共通点

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フィンランド語教室のテキスト『suomen mestari 3』にフィンランドの古都トゥルクについての短い読み物が出ていました。

TURKU

Turku on Suomen vanhin kaupunki ja maamme entinen pääkaupunki. Kaupungin mielenkiintoiseen historiaan voi tutustua Turun linnassa. Kannattaa käydä myös Luostarinmäen käsityöläismuseossa ja tuomiokirkossa

トゥルク

トゥルクはフィンランドの最も古い街であり、前の首都です。街のおもしろい歴史はトゥルク城で知ることができます。ルオスタリンマキ手工芸博物館と大聖堂も訪れる価値があります。

フィン
entinen former 前の
mielenkiintoinen interesting おもしろい
tutustua get to know 知り合いになる
kannattaa to be worth 〜する価値がある
käsityö handwork 手仕事
tuomiokirkko cathedral 大聖堂

 

この Turku という地名は格変化に伴って、中の[k]が落ちることがあります。

Turku(トゥルク)
Turun linna(トゥルク城)
主格 〜は/が Turku
属格 〜の Turun
内格 〜の中で/に Turussa
出格 〜の中から Turusta
入格 〜の中へ Turkuun

 

最初にこのルールを知ったときは「フィンランド語は固有名詞でも格変化するのか」とびっくりしました。

この現象は改めて考えてみると、日本語のイ音便に似ているような気もします。

いおんびん[イ音便](名)

〘言〙音便の一つ。「キ・ギ」などの音が「イ」の音になるもの。例、「咲きて」→「咲いて」。「脱ぎて」→「脱いで」。

「三省堂国語辞典 第七版」

地名で言えば「埼玉(さきたま)」が「埼玉(さいたま)」になったという例もあります。

もちろん一つの会話や文章で埼玉が「さきたま」になったり「さいたま」になったりする訳ではないので、フィンランド語と日本語の音変化を同列に考えることはできませんが、傾向としては似ているのではないか。そんなことをふと考えました。

 
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