「眠い」と「眠たい」の違いとは?(2)
昨日のエントリーでは「眠い」と「眠たい」の違いについて考えてみました。
すっきりとした結論が出ず、心残りなので、もう少しこのテーマを掘り下げてみたいと思います。
昨日は『三省堂国語辞典』の「眠い=ねむけを感じる」「眠たい=ねむりたい」という語釈を参考に両者の違いを考えてみました。
それでは他の辞書にはいったいどのように書いてあるのでしょう?
まずは新明解から。
ねむい【眠い】
長時間起きていたりひどく疲れていたりして眠りたくてたまらなくなる状態だ。
「新明解国語辞典 第七版」
ねむたい【眠たい】
一刻も早く、眠りたい状態だ。
「新明解国語辞典 第七版」
「眠たい」の「一刻も早く、眠りたい」というのはよくわかります。
しかし「眠い」の「長時間起きていたりひどく疲れていたりして」というのはやや大げさすぎるような気も。
コタツに入ったらポカポカしてきて眠いというように、睡眠不足・疲労以外の要因で眠くなることもありますよね。
それはそれとして、ここからは両者のはっきりとした違いはわからず。
続いて角川必携を見てみます。
ねむい【眠い】
ねむりに引き込まれそうな感じだ。ねむたい。
「角川必携国語辞典」
ねむたい【眠たい】
「ねむい」のくだけた言い方。
「角川必携国語辞典」
こちらは「ねむたい=ねむいのくだけた言い方」という説明。
たしかにそうなのかもしれませんが、そう言われてしまうと、それで終わりになってしまいます。
他にもいくつかの辞書に当たったところ、眠たいの項に「眠いに同じ」と書いてあるケースも複数ありました。
「眠い」や「眠たい」を使った例文で、相互入れ替えが不可能なケースを見つけることができれば「眠い=眠たい」への反証になるのですが、なかなか見つからず苦戦しています。
例えば、次の例文中の「眠い」を「眠たい」に変えても、「眠たい」を「眠い」に変えても文は成り立ちますし、ニュアンスもそれほど変わらないように思います。
眠い目をこすりながら出勤する。「三省堂国語辞典」
眠い目を擦って本を読む。「新明解国語辞典」
綿のようにつかれきって眠い。「角川必携国語辞典」
徹夜したので眠い。「角川類語新辞典」
春の午後は眠たい。「角川類語新辞典」
眠たいお説教を我慢して聴く。「角川類語新辞典」
やはり「眠い=眠たい」で妥協するしかないのでしょうか?
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