フィンランド語学習記 vol.548 − 時相構文の作り方(1)

18021701

先日のフィンランド語教室では次のような文を扱いました。

Mikon tullessa kotiin Leena oli jo nukkumassa.
(ミッコが家に帰ったとき、レーナはもう眠っていた。)

tullessa の部分がこれまで見たことのない形になっています。これは時相構文と呼ばれる形。

この例文のように「AのときB」という意味を表すのに、これまでは接続詞 kun を用いてきました。

Kun Mikko tuli kotiin, Leena oli jo nukkumassa.
(ミッコが家に帰ったとき、レーナはもう眠っていた。)

今回扱う時相構文では同じ意味を kun を使わずに表すことができます。

もちろん kun を使ってもよいのですが、書き言葉ではよくこの時相構文が見られるとのこと。

今回は kun を使った文を時相構文に書き換えることによって、両者の形を比べてみたいと思います。

 

1)主語を属格[-n]の形にする。

Kun Mikko tuli kotiin, Leena oli jo nukkumassa.
Mikon

 

時相構文では従属節の主語は属格[-n]の形になります。

主格 Mikko
属格 Mikon

 

2)動詞を第2不定詞内格[-essA]の形にする。

Kun Mikko tuli kotiin, Leena oli jo nukkumassa.
Mikon tullessa

 

時相構文では従属節の動詞は第2不定詞内格[-essA]の形になります。

辞書形 tulla
三人称単数過去形 tuli
第2不定詞内格 tulessa

 

なお動詞の辞書形から第2不定詞内格を作る手順は次のとおりです。

 

2ー1)語尾の[-A]を外す。

tulla → tull

 

2ー2)[-essA]を付ける。

tull → tullessa

*ただし語尾の[-A]を外したときに[e]で終わる単語は[e]を[i]に変えてから[-essA]を付けます。

itkeä → itke → itki → itkiessa

 

3)あとはそのまま

上記のように主語と動詞の形を整えたら、あとはそのままで時相構文のできあがり。

細かいところですが、節の間のコンマがなくなっている点にだけ注意しましょう。

kun の文 Kun Mikko tuli kotiin, Leena oli jo nukkumassa.
時相構文 × Mikon tullessa kotiin Leena oli jo nukkumassa.

 

以上、今回はフィンランド語の時相構文と呼ばれる形についてまとめてみました。

ただし今回扱ったのは二種類ある時相構文のうちの一つ目の形。明日はもう一つの形を扱ってみたいと思います。