フィンランド語学習記 vol.550 − 時相構文の作り方(3)

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前回と前々回の時相構文に関するエントリーの続きです。

フィンランド語学習記 vol.548 − 時相構文の作り方(1)
フィンランド語学習記 vol.549 − 時相構文の作り方(2)

これまでのエントリーでは時相構文の「第2不定詞内格」と「受動過去分詞分格」を使った形を見てきました。

第2不定詞内格 Mikon tullessa kotiin Leena oli jo nukkumassa.
(ミッコが家に帰ったとき、レーナはもう眠っていた。)
受動過去分詞分格 Mikon tultua kotiin Leena heräsi.
(ミッコが家に帰ったあと、レーナは起きた。)

 

今回はこの「第2不定詞内格」と「受動過去分詞分格」に所有接尾辞が付いた形を見ていきたいと思います。

所有接尾辞というのは、人称代名詞の属格を使う際、その後の名詞の語尾に付ける接尾辞のこと。

[所有接尾辞なし]minun kissa(私のネコ)
[所有接尾辞あり]minun kissani(私のネコ)

人称代名詞の属格と接尾辞の対応は次のようになっています。

一人称単数 minun [-ni]
二人称単数 sinun [-si]
三人称単数 hänen [-nsA]
[-Vn]
一人称複数 meidän [-mme]
二人称複数 teidän [-tte]
三人称複数 heidän [-nsA]
[-Vn]

* V は直前の母音を示す。

それでは実際の例文を見ていきましょう。

 

第2不定詞内格+所有接尾辞

Mikko lauloi tiskatessaan.
(ミッコは皿を洗っている間、歌を歌っていた。)
Leena puhui puhelimessa hänen tiskatessaan.
(彼/彼女が皿洗いをしているとき、レーナは電話で話していた。)

動詞 tiskatessaan は「皿を洗う」を意味する動詞 tiskata の第2不定詞内格 tiskatessa に所有接尾辞の[-Vn]が付いた形。

辞書形 tiskata
第2不定詞内格 tiskatessa
第2不定詞内格
+所有接尾辞
ttiskatessaan

 

なお上の文のように第2不定詞内格の主語と主節の主語が同じときには人称代名詞の属格を省略します。

Mikko lauloi (×hänen) tiskatessaan.
ミッコは歌った ミッコは皿を洗っている間

 

受動過去分詞分格+所有接尾辞

Tiskattuaan Mikko meni ulos.
(ミッコは皿を洗ったあとで、外出した。)
Hänen tiskattuaan Leena meni ulos.
(彼/彼女が皿を洗ったあとで、レーナは外出した。)

動詞 tiskatessaan は「皿を洗う」を意味する動詞 tiskata の受動過去分詞分格 tiskattua に所有接尾辞の[-Vn]が付いた形。

辞書形 tiskata
受動過去分詞分格 tiskattua
受動過去分詞分格
+所有接尾辞
tiskattuaan

 

なお上の文のように受動過去分詞分格の主語と主節の主語が同じときには人称代名詞の属格を省略します。

(×Hänen) Tiskattuaan Mikko meni ulos.
ミッコは皿を洗ったあとで ミッコは外出した

 

以上、今回は時相構文の第2不定詞内格と受動過去分詞分格に所有接尾辞が付いた形についてまとめてみました。

格語尾+所有接尾辞の形は、複雑で見極めが難しい印象。

たくさんの文章を読んで、少しずつ慣れていきたいと思います。