wether

18051101

Macmillan Dictionary Blog にオンライン辞書の検索に関するこんな記事が出ていました。

One of the most common failed searches in lookups of Macmillan Dictionary is the word wether. This is a real word – it refers to a male sheep that has been castrated – but it’s not in our dictionary as it is rather rare.

(Macmillan Dictionary の検索でもっともよくある入力ミスの一つは wether という単語である。これは実在する単語で、去勢された雄羊を意味する。しかしあまり一般的な語ではないので、私たちの辞書にはのっていない。)

Spelling tip of the week – weather/whether | Macmillan Dictionary Blog

wether という単語が実在するのなら、入力ミスではなく、ユーザーは本当に wether という単語を調べようと思って wether と入力している可能性もあります。

しかし筆者は weather / whether いずれかの打ち間違いだろう推測しています。

なぜそのように言い切ることができるのでしょうか?

その一つの理由は単に wether の検索件数が(単語の使用頻度と比べて)非常に多いということ。

また本稿では明確に触れられていないものの、ユーザーが wether と入力した後の行動遷移によってユーザーの意図を特定することもできそうです。

例えば、Macmillan Dictionary の検索窓に wether と打ち込むと、次のようなメッセージが出てきます。

Sorry, no search result for wether.

Did you mean

  • weather
  • whether
  • nether
  • tether
  • wither
  • wuther
  • blether
  • feather
  • heather
  • leather

ここで本当に wether を探していた人なら、あきらめてこのページを去ってしまうでしょうし、weather / whether を探していた人なら、weather / whether をクリックしてそちらのページを参照するはず。

つまり上記画面からのユーザーの行動によって、人々が weather / whether の代わりに間違って wether と入力していたということがある程度実証される訳です。

こんな風にユーザーの行動を追跡できてしまうのがオンライン辞書のおもしろいところ。

この特性を利用して、オンライン辞書でもっともよく検索される non-word(存在しない単語)のランキングを作ったら面白いのではないかと思います。