フィンランド語学習記 vol.38 − 属格のつくり方

フィンランド語教室18週目のレポート。

今回は属格のつくり方を扱いました。

属格とはフィンランド語の格変化の一つで、日本語の格助詞「の」に当たります。説明を聞くより、用例を見る方が易しと思いますので、まずは下記をご覧ください。

kissa(猫)
kissan nimi(猫名前)

単語の末尾に[-n]を付けると「〜の」の意味になります。[n]と「の」は音が似ているので、感覚的に覚えやすいですね。

ただし全ての単語に[-n]を付ければよいという訳ではなく、不規則な変化もあります。例えば代名詞。

minä 私は minun 私の
sinä あなたは sinun あなたの
hän 彼/彼女は hänen 彼/彼女の
me 私たちは meidän 私たちの
te あなたたちは teidän あなたたちの
he 彼/彼女たちは heidän 彼/彼女たちの

 
このような代名詞の不規則変化は英語にもありますので、それほど違和感はありません。(I, my, me, mine など)

「メイダン」「テイダン」「ヘイダン」は何だか力強い感じがしますね。

そしてフィンランド語がおもしろいのは、こういった格変化が固有名詞にまで及ぶという点でしょう。

Tomoko(ともこ)
Tomokon(ともこの)

こんな風に、フィンランド語の格変化は固有名詞をも浸食してしまいます。またルールは詳述しませんが、ここでも語幹の変化が起こる可能性があります。

Pekka(ペッカ)
Pekan(ペッカの)
Hakkinen(ハッキネン)
Hakkisen(ハッキネンの)

Pekan を見て「ペカン」ではなく「ペッカの」をすぐに思い浮かべるのは、なかなか難しいですね。

しかしこういった語形変化は、なんだかかわいらしいというか、口にしているだけで楽しくなってしまいませんか。ペカン。