「去」と「昨」の違いとは?
一昨日・昨日のエントリーで昨日・先週・先月・昨年などの日本語における「昨」と「先」の使い分けについて考えました。
しかし改めて考えてみると、上記のうち「昨年」に対しては「去年」という表現もあります。
去年の夏休みはどこへ行きましたか?
昨年の夏休みはどこへ行きましたか?
昨年の夏休みはどこへ行きましたか?
この場合は去年の方が自然な感じがします。
ともに一年前を意味する「去年」と「昨年」の違いは何でしょう?
きょねん[去年](名)
ことしの前のとし。昨年。(↔来年)
「三省堂国語辞典 第七版」
さくねん[昨年](名)
「去年」の、やや改まった言い方。(↔明年)
「三省堂国語辞典 第七版」
「昨年」は「去年」よりも改まった言い方なんですね。
どちらかといえば書き言葉で使われる表現なのでしょう。
去年は大変お世話になりました。
昨年は大変お世話になりました。
昨年は大変お世話になりました。
この場合は昨年の方が適切な感じがします。
それぞれの対義語として挙げられている「来年、明年」も調べてみました。
らいねん[来年](名)
ことしの次のとし。(↔去年)
「三省堂国語辞典 第七版」
みょうねん[明年](名)
〔文〕「来年」の、やや改まった言い方。(↔昨年)
「三省堂国語辞典 第七版」
こちらも「明年」は「来年」より改まった言い方なんですね。
全体を図式化するとこんな感じでしょうか。
一般的 (話し言葉) |
去年 | ↔ | 来年 |
---|---|---|---|
↓ | ↓ | ||
改まった (書き言葉) |
昨年 | ↔ | 明年 |
ただ同じ「改まった」グループに含めたものの、昨年は明年と比べればかなり一般的な表現。
そういう意味ではこんな風に単純に図式化できるものではないのでしょう。
それにしても日本語にはさまざまな表現があるなあと思うこの頃です。