世界のさまざまな6月

18060901

6月になったので『13か国語でわかる新・ネーミング辞典』で各国語の6月を調べてみました。

ジューン June
ジュアン juin
ユーニ Juni
ジューニョ giugno
西 フーニオ junio
ジューニョ Junho
ユニ juni
ユーニウス Iunius
スキロポリオーン Σκιροφοριών
イユーニ июнь
リュウユエ 六月
ユウォル 유월
ハズィーラーン حزيران

 

ヨーロッパの言語の6月はどれも英語の June によく似ています。

June という単語の由来には諸説あるようですが、その一つはローマ神話の結婚の女神 Juno にちなむというもの。

Juno

PROPER NOUN

Roman Mythology

The most important goddess of the Roman state, wife of Jupiter.

Greek equivalent Hera

Oxford Dictionaries

most important goddess(最も重要な女神)という定義がすごいですね。

一方、同じヨーロッパでもフィンランド語の6月はこちら。

ケサクー kesäkuu

 

kesä はフィンランド語で「夏」の意味。ただ Wiktionary にはこんな語源も出ていました。

Etymology

kesä (“archaic sense fallow”) + kuu (“month”); June is the time to plough the fallows

「Wiktionary」

fallow というのは一時的に耕作が行われていない、いわゆる休閑地のこと。

kesäkuu というのは本来、土地を耕し直す月という意味なんですね。

一方、日本語の6月にも古くはこんな名前がありました。

みなづき【水無月・六月】

〘名〙 (「みなつき」とも。「な」は「ない」の意に意識されて「無」の字があてられるが、本来は「の」の意で、「水の月」 「田に水を引く必要のある月」の意であろうという) 陰暦六月の異称。《季・夏》

「精選版 日本国語大辞典」

古文の授業などでこの名前を見て「梅雨の時期なのになぜ水無月?」と思ったことのある人も多いでしょう。

日国の説明によると水無月というのは水の月。ただし雨の多い月ということではなく、田に水を引く必要のある月という意味なんですね。

農業に関係しているという意味では、フィンランド語の kesäkuu と同じです。

以上それほど多くの言語を網羅した訳ではありませんが、ちょっとのぞいただけでも世界には様々な6月があることがわかります。

さらに探してみれば、私たちには思いもよらない言葉で6月を表現している言語もあるのかもしれません。

 

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