世界のさまざまな6月
6月になったので『13か国語でわかる新・ネーミング辞典』で各国語の6月を調べてみました。
英 | ジューン | June |
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仏 | ジュアン | juin |
独 | ユーニ | Juni |
伊 | ジューニョ | giugno |
西 | フーニオ | junio |
葡 | ジューニョ | Junho |
蘭 | ユニ | juni |
羅 | ユーニウス | Iunius |
希 | スキロポリオーン | Σκιροφοριών |
露 | イユーニ | июнь |
中 | リュウユエ | 六月 |
韓 | ユウォル | 유월 |
剌 | ハズィーラーン | حزيران |
ヨーロッパの言語の6月はどれも英語の June によく似ています。
June という単語の由来には諸説あるようですが、その一つはローマ神話の結婚の女神 Juno にちなむというもの。
Juno
PROPER NOUN
1 Roman Mythology
The most important goddess of the Roman state, wife of Jupiter.
Greek equivalent Hera
most important goddess(最も重要な女神)という定義がすごいですね。
一方、同じヨーロッパでもフィンランド語の6月はこちら。
芬 | ケサクー | kesäkuu |
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kesä はフィンランド語で「夏」の意味。ただ Wiktionary にはこんな語源も出ていました。
Etymology
kesä (“archaic sense fallow”) + kuu (“month”); June is the time to plough the fallows
「Wiktionary」
fallow というのは一時的に耕作が行われていない、いわゆる休閑地のこと。
kesäkuu というのは本来、土地を耕し直す月という意味なんですね。
一方、日本語の6月にも古くはこんな名前がありました。
みなづき【水無月・六月】
〘名〙 (「みなつき」とも。「な」は「ない」の意に意識されて「無」の字があてられるが、本来は「の」の意で、「水の月」 「田に水を引く必要のある月」の意であろうという) 陰暦六月の異称。《季・夏》
「精選版 日本国語大辞典」
古文の授業などでこの名前を見て「梅雨の時期なのになぜ水無月?」と思ったことのある人も多いでしょう。
日国の説明によると水無月というのは水の月。ただし雨の多い月ということではなく、田に水を引く必要のある月という意味なんですね。
農業に関係しているという意味では、フィンランド語の kesäkuu と同じです。
以上それほど多くの言語を網羅した訳ではありませんが、ちょっとのぞいただけでも世界には様々な6月があることがわかります。
さらに探してみれば、私たちには思いもよらない言葉で6月を表現している言語もあるのかもしれません。
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カテゴリ: 辞書/辞典/その他, 教育
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