テニスの0点はなぜ love なのか?

英語の love を辞書で調べると、こんな意味ものっています。

(テニスで)0点

テニスの0点はどういうわけか love と呼ばれています。これはなぜなのでしょう?

いくつかの辞書を調べてみました。

テニスは13世紀にフランスよりもたらされたが、ゼロ(0)の形が卵に似ていることからフランス語で l’œuf と呼ばれるようになり、それが英語のloveと混同された。

『ウィズダム英和・和英辞典』

なるほど。ちょっとよく出来すぎた話にも聞こえますが、まあ納得といったところでしょうか。

それにしても、テニスがフランスからもたらされたというのは知りませんでした。何となくイギリスというイメージがあったもので。

念のため他の辞書も見てみましょう。

ゼロの形が卵に似ていることから、フランス語の l’œuf(卵)が love になったという民間語源説がある。

『ジーニアス英和大辞典』

先ほどの説は、ジーニアスでは民間語源とされているようです。

民間語源というのは、いわゆる学問的な根拠がないということですので、この説は信憑性に欠けるのかもしれません。

続いて英語圏の辞書も見てみたいと思います。

From the phrase Neither for love nor for money, meaning “nothing”.

The previously held belief that it originated from the French term l’œuf (“the egg”), due to its shape, is no longer widely accepted.

(「絶対にない」ことを意味する「義理や金銭の問題ではない」というフレーズから。(ゼロに)形が似ていることからフランス語の l’œuf に由来するという以前に広まった考えは、もうあまり受けいれられていない。)

『Wiktionary』

Wiktionary ではとうとう「卵」説が否定されてしまいました。

そう言われてみると、ゼロの形が卵に似ているというのも、何だかこじつけのように聞こえてくるから不思議ですね。

とはいえ、この「love/money」説に絶対的な根拠があるのかどうかはわかりません。

また、もし卵説が民間語源なのだとしても、そんなことを最初に考えた人はすごい!ということは言えるでしょう。座布団一枚くらいはあげたいところです。