フォームからコンテンツへ 〜外国語学習における読書のすすめ〜

外国語を学ぶための最良の方法とは何でしょう?

この質問に答えるためには、例えば下記のような様々な要因を考慮しなければならないでしょう。

  • これまでの学習履歴
  • 習熟度
  • 国内にいるのか、ネイティブの環境にいるのか

などなど

しかし敢えて一般論を述べるとすれば、できるだけ早い段階でフォームからコンテンツの学習へ移行することは非常に大切だと思います。

外国語を学び始めたばかりの人は、通常まず単語や文法を学びます。(=フォーム)

そしてある程度の単語や文法を身につけることができれば、その外国語で書かれた書籍を読んだり、ニュースを聞いたりすることもできます。(=コンテンツ)

私見ですが、外国語学習においてフォームの段階からコンテンツの段階へ進むことができれば、最初のゴールの達成であり、そこから先の学習は軌道にのせやすいと思います。

書籍(洋書)というとややハードルが高い印象もありますが、必ずしも一般向けの書籍である必要はなく、学習者向けの書籍(Graded Readersなど)を利用することもできます。

また読書には自分でペースを決められる、わからないときに何がわからないのかが明確である(わからない単語や表現を視覚的に確認でき、かつ調べることもできる)というメリットがあるため、とりわけ初期の段階では音声教材よりも優位性があると言えるでしょう。

私自身の英語学習を振り返って、最も英語力が伸びた経験は何かと考えると、ジョン・アーヴィングの「ガープの世界」を原書で一冊読んだことかもしれません。

The World According to Garp

かなり厚い本なので、買った当初は一冊読み通す自信はなかったのですが、読んでいるうちに、どんどん続きが気になってきて、気がついたら一冊読み通していました。

この場合は、続きを読まずにはいられないほど面白い本に出会ったということが幸いでした。一冊を読み終えた後は心地よい達成感があり、何となく英語力が一段階上がったような実感がありました。

今、取り組んでいるフィンランド語の学習でも、なるべく早い段階で原書を読みたいと考えています。最初は絵本や児童書になるでしょうが、フィンランド文学にはそれらの分野ですぐれた作品が多いようなので楽しみです。

なお英語を学習しているものの、まだ洋書を読んだことがないという人は最初の一冊にこちらの本などいかがでしょう。

Matilda (PMC) (Puffin Modern Classics)

著者のロアール・ダールは「チャーリーとチョコレート工場」などの代表作がある児童文学作家で、この「Matilda」は天才的な才能を持つ女の子マチルダが周囲の悪い大人たちをやっつけていくというお話。挿絵も楽しく、読みやすいのでおすすめの一冊です。