フィンランド語学習記 vol.85 − 出格の使い方

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フィンランド語教室は夏休み期間のためお休み。

ということで、これまでに習った文法事項の復習をしています。

以前のエントリーで「変格」の使い方を取り上げましたが、その時の授業ではもう一つ「出格」の使い方も扱いました。

[参考]フィンランド語学習記 vol.84 − 変格の使い方 | Fragments

今回のエントリーではそちらをまとめてみたいと思います。

 

出格とは?

出格というのは、日本語の「〜から」に当たる意味を表す、フィンランド語の格変化の一つ。

まずは次の例文をご覧ください。

Minä olen suomalainen, Oulusta.(私はフィンランド人で、オウルの出身です。)
*minä(私は)、suomalainen(フィンランド人)、Oulu(オウル)

「〜人」を表す[-lainen]の使い方については、以前のエントリーで取り上げました。

[参考]フィンランド語学習記 vol.78 − ドイツ人はドイツ語を話し、フランス人はフランス語を話す | Fragments

Oulu はフィンランドの町の名前。ここでは格語尾[-sta]が付いて Oulusta という形になっています。

[主格]Oulu(オウルは)
[出格]Oulusta(オウルから)

これを自分の立場に置きかえてみると、次のような文になります。

Minä olen japanilainen, Niigatasta.(私は日本人で、新潟の出身です。)

一方、話し相手に出身を尋ねたいときは、次のように言ってみましょう。

Mistä sinä olet kotoisin?(あなたはどこの出身ですか?)
*sinä(あなたは)、kotoisin(〜出身)

mistä は、疑問詞 mikä が格変化した形。この場合は、単に語尾に[ -stä]を付けるのではなく、イレギュラーな語形変化になっているので注意しましょう。

[主格]mikä(何が)
[出格]mistä(どこから)

これらの文法を踏まえて、教科書のスキットを読んでみましょう。

Mistä sinä olet kotoisin?(あなたはどこの出身ですか?)

Ruotsista. Olen ruotsalainen.(スウェーデン出身です。私はスウェーデン人です。)

− Ai niinkö. Mistä kaupungista?(そうですか。どこの街の出身ですか?)

Lundista.(ルンド出身です。)

ここでは太字の単語が出格[-sta/-stä]の形になっています。

以上、今回はフィンランド語の格変化の一つ「出格」の使い方をまとめてみました。

日本語の「〜から」に当たる表現と覚えておけば、感覚的にはそれほど難しくないように思います。