Stop Phubbing − スマホ依存追放キャンペーン

photo credit: Alexander Rentsch via photopin cc

phubbing

ignoring the person in front of you in favor of your smart phone

この頃、電車に乗ると、スマートフォンをいじっている人を多く見かけます。

そういう私自身も、ついつい手を伸ばしてしまうというのが正直なところ。

もっとも一人で電車に乗っている時にスマホを見ること自体は誰の迷惑にもなりません。

しかし友達や家族といっしょにいる時までスマホが気になって仕方がないとすれば、それは一種の依存症なのかもしれません。

広告代理店マッキャン・メルボルン(McCann Melbourne)は、そんなスマホ依存から抜け出すための「Stop Phubbing」というキャンペーンを展開しています。

Stop Phubbing

信憑性は?ですが、上記サイトには phubbing に関するさまざまな統計がのっています。

それによると phubber(?)が一番多い都市はニューヨークなのだとか。

さてここからが話の本題。

この「Stop Phubbing」が、実はオーストラリアの Macquarie Dictionary による辞書販売促進のためのキャンペーンだったという記事が、オーストラリアの広告系雑誌『B&T』のウェブサイトにのっていました。

McCann Melbourne goes guerrilla to coin word for Macquarie Dictionary | B&T

McCann Melbourne has revealed to B&T that for the past year it’s been engaged in a guerrilla marketing campaign that has given birth to a new word across the globe.

(マッキャン・メルボルンは、世界中で新語を生み出したゲリラ・マーケティングにこの1年関わってきたことをB&Tに明かした。)

phubbing というのは、このキャンペーンのために意図的に作られた新語であり、「スマホ依存」という最新の社会現象を伝えるため、結果として世界中のニュースで使用されることになりました。

Until now, nobody was aware that the Macquarie Dictionary of Australia was behind the whole campaign, as it looks to remind people of importance an up-to-date dictionary and words to explain social phenomena.

(これまで、オーストラリアの Macquarie Dictionary がキャンペーン全体の裏側にいることに誰も気付かなかった。そのキャンペーンというのは、社会現象を説明する最新の辞書と単語の重要性を人々に気付かせるためのものであったようだ。)

本当にこんなことが辞書の売り上げにつながるのかどうかはわかりませんが、意図的にキャンペーンを仕掛け、この世界に一つのことばを生み出したというのは面白い話ですね。

この phubbing という単語を作るに当たっては、シドニー大学に辞書編纂者、音声学者、ディベート大会の優勝者、詩人、作家、クロスワードパズル作家などが集められたのだとか。

その一部始終を描いた “A Word is Born” という動画が Youtube にアップされています。2分少々の短い動画ですので、興味のある方はぜひどうぞ!