フィンランド語学習記 vol.108 − mikä と mitä の違いとは?
フィンランド語を習い始めたころ、日本語の「何」に当たる単語として mikä と mitä という二つの単語が出てきました。
その時は二つの単語の使い分けについて全く触れなかったのですが、フィンランド語教室の教科書も中盤に差し掛かって、ようやくその違いが明らかになりました。
たしかに最初期に聞いても、なかなか理解できなかっただろうなと思います。
この違いについては、教科書の例文がわかりやすいので引用してみたいと思います。まずは空のコーヒーカップのイラストに添えられた、こんな例文。
Mikä tämä on?(これは何ですか?)
Se on kahvikuppi.(コーヒーカップです。)
Se on kahvikuppi.(コーヒーカップです。)
続いてコーヒーが注がれたコーヒーカップのイラストに添えられた、こんな例文。
Mitä tämä on?(これは何ですか?)
Se on kahvia.(コーヒーです。)
Se on kahvia.(コーヒーです。)
なぜこのような違いが生じるのでしょう?
実は mikä と mitä は、同一の単語が格変化した形。
[主格]mikä
[分格]mitä
[分格]mitä
コーヒーカップのように一つ、二つと数えられるもの(加算名詞)を指す時には主格の mikä、コーヒーのように数えられないもの(不加算名詞)を指す時には分格の mitä を使います。
また上記の例文では、答えに当たる単語もそれぞれ主格と分格の形になっています。
[主格]kahvikuppi(コーヒーカップ)
[分格]kahvia(コーヒー)
[分格]kahvia(コーヒー)
この使い分けについては、前回のエントリーに詳しく書きました。
[参考]フィンランド語学習記 vol.107 −「A olla B」構文における補語の格変化 | Fragments
つまりフィンランド語では「これは何ですか?」と聞きたいとき、対象の性質を考えて mikä と mitä を使い分けなければなりません。
フィンランド語は「加算名詞」「不加算名詞」の及ぼす影響が英語と比べてもずいぶん大きいので、この点はノンネイティブにとってハードルが高いですね。
何とか徐々に慣れていきたいと思います。